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大竹沖衝突 おおすみ艦長ら不起訴 広島地検「回避は不可能」(2015年12月26日掲載)

2019/10/18 16:06

 2014年1月に広島県大竹市沖で海上自衛隊の輸送艦おおすみと釣り船が衝突、釣り船の2人が死亡した事故で、広島地検は25日、業務上過失致死傷と業務上過失往来危険の疑いで書類送検された事故当時の輸送艦の男性艦長(53)と男性航海長(35)を嫌疑不十分で不起訴処分とした。地検は直前に釣り船が針路を変えたことが事故原因とし、艦長ら2人が衝突を予見できたとは認められないと判断した。

 同容疑で書類送検された釣り船の船長=当時(67)=については同日、容疑者死亡のため不起訴処分とした。

 事故は1月15日午前8時ごろ起きた。地検によると、衝突の約1分前の午前7時59分ごろ、釣り船が右転し、おおすみ側に船首を向けた。地検はこの針路変更が事故の主因と認定。おおすみ側が釣り船の針路変更後に避けようとしても、大型船のため停船には一定の距離が必要で回避は不可能だったとし、「2人に刑法上の過失責任を問うことはできない」と結論づけた。

 地検は事実の認定にあたり、両船の乗船者の供述、おおすみのレーダー映像や乗組員の音声記録などの客観証拠を基にしたと説明。海上交通の専門家の意見も参考にしたという。艦長と航海長の認否は明らかにしていない。

 広島海上保安部が昨年6月、3人を書類送検。高橋久志次席検事は書類送検から処分に約1年半を要したことについて「事故の重大性や社会的関心の高さ、遺族の処罰感情も含めてさまざまな観点から捜査し、慎重に判断した」と述べた。

 2人の遺族や弁護士たちは事故後、「真相究明を求める会」を設立。艦長と航海長の起訴を地検に求め、刑事告発もした。同会は「強い憤りを禁じ得ない。真相解明を願い、検察審査会に申し立てたい」とのコメントを発表。防衛省の武居智久海上幕僚長は「あらためてお亡くなりになられた2名の方々のご冥福をお祈り申し上げ、引き続き事故の再発防止に努めていく」とのコメントを出した。

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