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大竹沖衝突 双方に原因 海自艦対応で回避も 運輸安全委報告(2015年02月10日掲載)

2019/10/18 16:17
転覆した釣り船。奥左の大型船が海上自衛隊の輸送艦おおすみ(15日午前10時、広島県大竹市阿多田島北東沖)

転覆した釣り船。奥左の大型船が海上自衛隊の輸送艦おおすみ(15日午前10時、広島県大竹市阿多田島北東沖)

 昨年1月に広島県大竹市沖で海上自衛隊の輸送艦おおすみと釣り船が衝突、2人が死亡した事故で、国の運輸安全委員会は9日、調査報告書を公表した。事故の直前に右へ針路を変えた釣り船と、速度を維持して直進していた自衛艦が衝突したとし、双方に原因があると認定した。自衛艦がより早い段階で減速や警笛で注意喚起をしていれば、衝突を回避できた可能性があるとも指摘した。

 報告書によると、事故の約13分前の午前7時47分ごろ、両船は、ほぼ並走する形で航行。その後、自衛艦が角度を変え、ともに時速約30キロで航行する両船が徐々に近づく中、釣り船が同59分ごろ、右に向きを変え、自衛艦の船首の15メートル以内に接近し減速または停止した。避けようとした自衛艦が右に針路を取ると、両船はさらに近づき、午前8時ごろに自衛艦の左舷中央部と釣り船の右側面が衝突、釣り船が転覆した。救命胴衣は全員着けていなかった。

 速度を保持して直進を続けていた自衛艦、右に針路を変えた釣り船の双方に原因があると結論付けた。

 自衛艦の艦長が事故の約1分前に、釣り船との距離を広げるために減速を指示していた点にも言及。安全航行のための内部の航行指針などにも触れ、より早い段階での大幅な減速や、警笛やライトによる注意喚起をしていれば事故を回避できた可能性があるとした。自衛艦の見張りには問題はなかったと分析している。

 釣り船が事故直前に右へかじを切った理由は、釣り場に向かうために自衛艦の前を横切ろうとした可能性があるとしながらも「船長が死亡し、明らかにできなかった」としている。釣り船は事故の約20分前にも自衛艦の前を横切っていたという。

 事故をめぐっては、双方の見張りが不十分だったとして広島海上保安部が昨年6月、事故当時の自衛艦の艦長(52)と航海長(34)、死亡した釣り船の船長=当時(67)=を業務上過失致死傷容疑などで書類送検。広島地検が捜査している。広島海保は「捜査に影響が出る」として両船の航跡などを公表していなかった。

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