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地上イージス反対表明から1年山口県阿武町 花田憲彦町長財政健全 見返りは不要(2019年09月10日掲載)

2019/10/24 15:00
「私が折れることはない」

「私が折れることはない」

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の陸上自衛隊むつみ演習場(萩市)への配備計画を巡り、山口県阿武町の花田憲彦町長(64)が反対を表明してから20日で1年になる。一連の調査ミスで地元の反発が高まる中、防衛省は近く現地での再調査に入る。あくまで計画撤回を求める花田町長にあらためて考えを聞いた。(和多正憲)

 ―山口県の首長で唯一反対を表明していますね。

 きちんと国に意思表示をすべきだと思った。結果として町民にも立場を信用してもらえた。国策では首長が判断を先送りし、最後に国からニンジンをぶら下げられて賛成に回るケースがよくある。そんなことはしたくない。

 ―ニンジンとは。

 交付金などの見返りだ。そんなものは一切要求しない。これまで健全な財政運営でやってきた。国に見返りを求める必要はない。

 ―計画に反対する最大の理由は何ですか。

 移住施策などまちづくりへの影響だ。ある移住者に「基地ができれば町を出るしかない」と言われた。阿武町では農業も水産業も移住者が支えている。彼らがいなくなれば町の存亡に関わる。電磁波やミサイル落下への懸念もあるが、その論点は国の「御用学者」に突き崩されるかもしれない。だが、まちづくりは私が40年以上も実践してきた問題。国に負けるわけがない。絶対の自信がある。

 ―県内は花田町長をはじめ首長や知事が全員自民党員です。自民党の安倍政権の方針に反対することへの疑問の声もあります。

 意味が分からない。自民党員なら「右向け右」なのか。国の政策に物が言えない方が不自然だ。そんなことはあってはならない。判断基準は党でなく町民だ。

 ―国は適地調査での計算ミスなどを受け、近く再調査を始めます。

 机上データで小学生レベルの単純ミスについて国防を担う組織でチェック機能が働かなかった。信じられない。(もうひとつの候補地の)秋田県と同じように山口県も他の代替地をゼロベースで再調査すべきだ。ミサイルが人家の上空を飛ばない無人島や海の埋め立て地、イージス艦の増設で対応できないのか。

 町民の過半数が配備に反対だ。残りも賛成ではなく、沖縄や岩国の基地問題のように「国に何を言っても無駄」という諦めが多い。だからといって私が賛成に回ることはあり得ない。折れる気は全くない。

 ≪略歴≫山口県阿武町出身。広島東税務署勤務を経て、1976年に同町役場に入り企画課長や総務課長を務めた。2016年3月に定年退職し、17年5月から現職。広島大中退。

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