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給付型奨学金創設の狙いは 広島マツダ 松田哲也会長インタビュー(2019年10月09日掲載)

2019/10/28 8:35
「目標を支援し、後に続く若者の模範となる整備士を育てたい」

「目標を支援し、後に続く若者の模範となる整備士を育てたい」

 自動車販売の広島マツダ(広島市中区)は、自動車整備士を目指す学生向けの奨学金制度を始めた。入社や返済の義務がない全国でも珍しい取り組み。松田哲也会長(50)は「なり手が減っている。若者の選択肢を狭めない方法で状況の改善に役立ちたい」と語る。(井上龍太郎)

 ―どんな制度ですか。

 広島県内の大学や専門学校など6校の学生を対象に、年15人以内の枠で2回に分けて募る。入学から卒業まで月2万円を最大4年間(96万円)払い続ける。

 ディーラーの奨学金は返還や数年の勤務を伴う制度が一般的だが、完全給付型にした。就職先選びや退職の自由はあるべきだと思うからだ。経済的な事情で進学が難しい若者が、制約を受けずに整備士を目指せる道があっていい。

 ―なり手不足の現状は。

 車離れもあり、整備士を目指す若者の減り方は人口減より大きい。高齢化も進んだ。一方で車は一つ間違えば凶器になる。安全なカーライフに責任を持つディーラーにとって、整備士は最も大事な職種。手を打ちたい気持ちがあった。

 来春は何とか16人の整備士を迎え入れるが、今後もトヨタ自動車や日産自動車の系列店などと優秀な人材集めで競合する。広島に育てられた企業としての恩返しを通じ、自社への関心が高まればありがたい。

 ―反響はどうですか。

 初めて募集した今春は、学校の推薦を得た12人の応募があった。熱意を持つ優秀な若者ばかりだった。女性1人を含む4人を選び、7月に支給を始めた。

 ―未来の整備士に期待することは。

 服や手を真っ黒にして働く姿を思い浮かべるかもしれないが、例えばわが社は顧客に見てもらえる工場に改修し、きれいな姿で働いている。希望者はレース活動に派遣し、新たなやりがいを感じている。働く楽しさは本人次第。奨学金を利用した整備士が、なり手を増やすための模範になってくれたらうれしい。

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