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【フィーチャー】上質な走り 高級車と勝負 マツダI6エンジン計画 中大型を「稼ぐ力」に ブランド向上へ切り札(2019年05月23日掲載) 

2019/10/29 15:04

 マツダは今月、同社の乗用車に初めて直列6気筒(I6)エンジンを導入する計画を打ち出した。滑らかな動きと大きな馬力が特長で、車の高級感を増すための切り札と位置付ける。今の車種よりも高い価格帯の後輪駆動(FR)車を2024年度にかけて投入し「稼ぐ力」を高める戦略を描く。(井上龍太郎)

 「上級エンジンモデルの投入が不十分だった」。今月、東京都内で中期経営方針を発表した丸本明社長は近年をこう振り返り、I6搭載車の開発を加速させる考えを強調した。中期方針には、ガソリンとディーゼルの両エンジンの開発が盛り込まれた。

 ピストンが1列に6本並ぶI6は振動が少なく、ドイツのBMWやメルセデス・ベンツが高級車に載せている。マツダは車体が大きく利益率の高い「ラージ商品群」に採用する方針。排気量は3000t級とマツダで最大になる見通しだ。スポーツタイプ多目的車(SUV)CX―5、CX―8、CX―9、セダン系のアテンザが対象になりそうだ。

 I6は、走行性能と高級感を兼ね備えたFR車の心臓部になる。FR車は、車の前部に置いたエンジンで後輪を動かす。前後のバランスが良く、カーブの安定性が高い。「走る楽しさ」を追求するブランドにも合う。マツダはラージ商品群を原則、後輪駆動にする方向で検討している。藤原清志副社長は「I6のFR車は夢だった」と語った。

 マツダ車のエンジンは現在、全て直列4気筒(I4)。FRは小型スポーツカーのロードスターだけだ。1991年にV型6気筒エンジンを載せたFRセダン、センティアを投入したが、不況で販売が落ち込み、2000年に生産を中止。高級路線から撤退した。資本提携していた米フォード・モーターの意向もあり中小型車に特化したが、利益率の低さが今も課題になっている。

 19年3月期の連結決算は売上高が過去最高だったが、売上高に対する営業利益率(ROS)は2・3%。トヨタ自動車やSUBARU(スバル)など多くの国内メーカーは4〜8%台で稼ぐ力の弱さが目立つ。

 ある幹部は「小さい車ばかりではもうからない。通信や電動化など新技術にも対応せねばならず、収益性の高い領域に出る必要がある」と打ち明ける。

 マツダはI6搭載車を重要市場に投入する構え。特に米国は中大型車の人気が高く、丸本社長は「必ずやり遂げたい」と力を込める。

 ただ、高価格帯も競争は激しく、収益を伸ばすのは容易ではない。安全装備や車載機器で最新技術を取り入れた海外メーカーの主力モデルがひしめく。米国を中心にかつて値引き販売で低下したブランドイメージは回復の途上にある。

 マツダは中期方針で、25年3月期に売上高を約4兆5千億円と現在より約1兆円増やし、ROSを5・0%以上に高める目標を示した。販売店網の強化や顧客サービスの改善を進め、ブランドを高める改革を着実に仕上げることが達成の鍵になる。

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