地域ニュース
建設現場 ボルト調達難深刻 五輪関連工事で首都圏の発注増 中国地方 公共事業にも遅れ(2019年10月04日掲載)
建設現場で鉄骨をつなぐボルトの不足が深刻化している。首都圏の建設会社が来年の東京五輪に伴う建設ラッシュを受けて多めに発注しているため、全国的に調達しにくくなった。中国地方でも入手に時間がかかり、工期が遅れている。国によると本当に必要な量に対する供給体制は十分で、建設業界に冷静な仕入れを呼び掛けている。
「ボルトが手に入らず、工事が進まない。工期が延びて人件費などが増えている」。広島市内の建設会社の役員男性がため息をつく。最近は通常より3カ月長い工期を施主に示している。ボルトの納品遅れを見越した契約は、入手しにくくなった昨年夏以降で工場や倉庫など5棟に上る。
不足しているのは、高力(こうりき)ボルトと呼ばれる特殊な鋼材製。固定する力が強く、溶接の代わりになる。同社の場合、発注から3、4週間で届いていたのが今は4カ月もかかる。役員は「海外製はすぐ手に入るが、日本の規格に合うか不安。早く正常な状態に戻らないと困る」と戸惑う。
影響は公共工事にも及んでいる。昨年10月に貨物船が衝突した山口県の大島大橋の復旧工事は2カ月遅れた。江田島市が整備している「認定こども園のうみ」は完成が2カ月延びて来年6月になる見通し。4月の開園に間に合わず、市が対応を迫られている。
国土交通省は、首都圏の建設業者による「水増し発注」が背景にあるとみる。五輪の関連工事を受注した企業が「欠品を懸念して必要以上に発注。メーカーの生産能力を超え、ボルト不足になった」と分析する。
あおりを受けるのは地方の中小企業だ。自社工場の増築に必要なボルトの仕入れに苦労した広島県熊野町の中小メーカーの役員男性は「地方に全然回ってこない」と憤る。
建設業界の人手不足も拍車を掛ける。日本建設業連合会中国支部(中区)の奥山正彦事務局長は「鉄骨の建物はコンクリート製より型枠工などの人手が少なくて済む。鉄骨製への変更が広がり、ボルトの必要量も増えている」と指摘する。
ただ、国交省によると鉄骨の使用量は微増。ボルトの実需は発注量ほど増えていないとみられる。同省は混乱を「一時的」とみて、解消に動く。5月には専用の注文書を作った。業界団体には必要分だけの発注を求めた。同省労働資材対策室は「メーカーの供給能力は不足していない。水増し発注を抑え、市場を安定させたい」としている。(東谷和平)
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