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船側賠償 上限24億5500万円 周防大島衝突 復旧費下回る(2019年02月20日掲載)

2019/10/30 14:25

 昨年10月の柳井市と山口県周防大島町を結ぶ大島大橋への貨物船衝突事故を巡り、ドイツの船会社側が19日、賠償限度額を定める船主責任制限手続きが認められたと発表した。広島地裁が15日付で決定した。上限額は約24億5500万円。一方、県などは橋や水道管の復旧費だけで30億円超を見積もり、町民も被害を訴えるが、全額回収できない可能性が高くなった。

 船舶事故では損害額が巨額になるため「船主責任制限法」で船の重さに応じて損害賠償に上限を設定。これに基づき、貨物船を所有する船会社が地裁に手続き開始を申し立てていた。

 船会社の代理人弁護士によると、事故で損害を受けた県などの債権者は6月14日までに地裁へ損害額の債権届を出す必要がある。地裁が選任した管理人は7月17日、広島弁護士会館(広島市中区)で債権調査を開催。全ての損害額が上限の約24億円を超えた場合、限度額の枠内で賠償金を分け合う形になる。

 一方、県や町は橋や水道管などの復旧工事費だけで30億円超を見積もる。村岡嗣政知事はこれまでに「受けた損害は全て請求する」との考えを表明。船会社側の手続き開始決定を受け、法務担当の県学事文書課は「対応を弁護士と相談する」と説明する。

 周防大島町では、被害を受けた町民や事業者が船会社との示談交渉に向け住民組織の設立準備を進めている。椎木巧町長は「大きな被害を受けた町として賠償額の制限は納得いかない。全損害の補填(ほてん)を目指したい」と話した。(和多正憲、余村泰樹)

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