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衝突損害申請計44億円 大島大橋事故 賠償上限を大幅超過(2019年06月25日掲載)

2019/10/30 14:38
復旧工事が進む大島大橋

復旧工事が進む大島大橋

 山口県周防大島町と柳井市を結ぶ大島大橋への貨物船衝突事故の賠償額に上限を設ける船主責任制限法の手続きを巡り、被害を受けた自治体や住民、事業者から約200件の債権届の提出があり、申請した損害の総額は計44億円に上ることが24日、関係者への取材で分かった。広島地裁が認めた賠償上限の約24億5500万円を大幅に上回る。

 自治体や法人が約43億円、個人が約1億円。うち山口県と周防大島町、柳井地域広域水道企業団は橋の復旧費や給水活動などにかかった37億6900万円を申請したことを発表。残りは法人が宿泊のキャンセルや休業に伴う売り上げの減少、個人は給水のためのポリタンク代や慰謝料などを求めるものが多いという。

 債権届は県や企業などを含め約200件出されたが、約1万6千人が暮らす島全域が被害を受けた中、提出は一部にとどまる。損害の全額回収が困難との見方が広がっていることや慣れない手続きで申請を諦めた人が多かったとみられる。

 事故の損害賠償を巡ってはドイツの船会社の申し立てを受けた地裁が2月15日付で制限手続きの開始を決定。県と町、柳井地域広域水道企業団の3者はこれを不服として3月29日、手続きの取り消しを求めて広島高裁に即時抗告した。

 今後、地裁が選任した管理人の弁護士が申請した損害額の妥当性を調査し、債権届の分配額を決定。即時抗告が認められない場合、上限額の約24億5500万円を分け合うことになる。調査結果を知らせる期日は7月17日だが、長引く可能性もある。(余村泰樹)

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