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通学かばん重過ぎる 広島の中学生 10キロ以上、体に負担 脱ゆとりで教科書厚く(2017年07月21日掲載)
中学生の通学かばんが重過ぎる―。そんな声が、中学生や保護者に広がっている。「脱ゆとり教育」の流れで教科書が厚みを増したのが最大の要因。広島市では合計14キロの荷物を持ち歩き、肩凝りや体の痛みを訴える生徒もいる。定期健診で「背骨に変形の疑いがある」と指摘されたケースも。専門医からは身体の成長への影響を懸念する声も出ている。
「息子の通学かばんが異常に重い。体が心配」。広島市西区の主婦(37)は顔を曇らせる。中学2年の長男(13)が通う市立中は、自宅から1・5キロ。総重量8・5キロの通学かばんを背負い、手に5・5キロの補助バッグを提げ、片道30分を歩いて通う。部活動の道具なども入れる補助バッグの持ち手は、重みでちぎれかかっていた。
身長159センチ、体重47キロ。中学生として体格が小さいわけではない。ただ、荷物は体重の3分の1に相当する。腰や背中に痛みを感じ、5月の定期健診では「脊柱変形の疑い」と診断された。主婦は「猫背気味でもあり、成長への影響が心配。少しでも軽くできないだろうか」と案じる。
安佐南区の市立中の3年女子生徒(14)は、高校受験に備えて学校帰りに週3日、塾に通う。通学かばんには教科書に加え、塾の教材、弁当や水筒も入れる。重さは10キロ以上で、肩凝りに悩む。「必要な勉強道具だけを持ち歩きたい」と願うが、教室に置いたままにする行為は「置き勉」と呼ばれ、禁止されている。
教科書の発行会社でつくる教科書協会(東京)によると、文部科学省が2008年度の学習指導要領改定で「脱ゆとり教育」にかじを切った影響で、教科書が厚くなっている。
中1〜3年の教科書の総ページ数は16年度に4182ページと、02年度の2711ページと比べて54・3%増加。写真や図版を豊富に載せるために紙質も向上し、重みが増す。さらに、学校の判断で購入する資料集などの副教材も、主流がA5判から雑誌サイズのAB判にワイド化している。
教科書の総ページ数を比べると、小学生も58・4%増えているものの、副教材は中学生ほど多くない。一方、高校生の増加率は20・6%で、中学生の増加が際立っている格好だ。
桜田整形外科(南区)の桜田和之院長(66)は「成長段階の骨は弾力性があり、重過ぎる物を持つと姿勢に影響を与えやすい」と指摘。その上で、ゲームやスマホの普及で外遊びする時間が少ないとして「小さいうちから腹筋や背筋を鍛えて体幹を強くし、健康的な背骨をつくることが大切」と強調している。(ラン暁雨)
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