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今年こそ!なくそう食品ロス わが家から <下>譲る 手つかずの品、橋渡し 家庭・企業から福祉現場へ(2018年01月05日掲載)
台所の棚で眠る缶詰、知人から届いた食べ切れないほどの米…。食品ロスになりかねないそんな食べ物を、有効活用できる仕組みがある。米国発祥の市民運動フードバンク。日本でも広がりつつあるこの取り組みを紹介する。
廃棄される食品の中には、中身は真っさらな状態の物も多く含まれる。環境省によると、年間90万トン近いそれらの食品が家庭から捨てられている(直接廃棄)。フードバンクは、家庭や企業から無償で提供してもらい、福祉の現場に譲り渡す。いわゆる「つなぎ役」と言える。
「皆さんの家では不要でも他の場では歓迎される食べ物は、たくさんあります」。2007年に中国地方初のフードバンクを始めたNPO法人あいあいねっと(広島市安佐北区)の原田佳子理事長(65)は話す。
同団体は食品メーカーやスーパーなど約15事業所から定期的に食品を譲り受け、福祉施設など約25カ所に贈っている。家で使わない調味料や取れ過ぎた農作物を、自家用車や宅配便であいあいねっとに届ける人もいる。
ただ、身近にフードバンクの拠点がない人も多い。そんなときに活用できるのがフードドライブだ。家庭で眠る食品を持ち寄り、フードバンクや福祉の現場に贈るイベント。自治体や企業、市民団体などが開く。
広島市も16年度から取り組みをスタートさせた。17年度は広島文教女子大(安佐北区)やサッカーJ1サンフレッチェ広島などと連携し、大学祭や公式戦の会場でこれまで計5回催した。女性専用フィットネスジム「カーブス」(東京)は毎年1月に全国の店舗で1カ月間、食品を募っている(一部店舗を除く)。
こうして集まった食品は大切に活用される。提供を受ける団体の一つが、広島市安芸区の民家を拠点に活動する女性グループ「笑顔つながり隊」。家庭の事情で一人きりで食事をすることが多い子どもや独居の高齢者向けに月2回、夕食を安価で提供する「やの地域・こども食堂」を開いている。
昨年末の回では、あいあいねっとから譲り受けたニンジンやドレッシングを使い、肉じゃがなど4品をこしらえた。同隊の上郁子代表(50)は「提供者の方への感謝とともに、おいしく食べられる物がまだまだたくさん捨てられているだろうな、との実感も湧いてきます」と話す。
手つかずのまま置きっ放しの食品が家にないか。年の初めにチェックしてみよう。フードバンクの一端を担えるかもしれない。(教蓮孝匡)
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