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河井法相辞任、激戦の報酬に疑惑 上限超え「公然の秘密」(2019年10月31日掲載)
安倍晋三首相や菅義偉官房長官たち政権中枢とのパイプの太さを誇ってきた河井克行氏(56)=広島3区。「政治とカネ」の疑惑で31日、法相辞任に追い込まれた。舞台となったのは妻の案里氏(46)が初当選した7月の参院選広島選挙区(改選数2)。自民党が21年ぶりに2人を公認し三つどもえの激戦になった選挙で、車上から支持を呼び掛ける運動員への報酬を巡る疑惑が引き金になった。
「選挙前にタオル、飲み物を買う準備をした人件費や実費を含んでいると思っていた」。当時、案里氏の運動員を務めた広島市の女性は31日、中国新聞の取材に対し、1日当たりの法定上限の報酬(1万5千円)とは別に金を受け取ったことを認めた。「選挙運動への対価という認識はない」
週刊文春は、先の参院選で運動員13人に日当として3万円を支払った疑惑があると報じた。運動員が報酬を受け取る際、投開票日と公示前の日付の2枚の領収書にサインしたと指摘。案里氏の陣営関係者は「報道後、別の運動員から『1日3万円をもらったという認識はあった。2枚の領収書の日付が違っていたと後で気付いた』と直接聞いた」と明かす。
なぜ、2枚の領収書があるのか―。国会議員の秘書経験者は「上限超えを隠す工作ではないか」と勘ぐる。「1万5千円より多く受け取るのは、昔から公然の秘密」と、過去に運動員をしたことがある女性は証言する。一方、ある広島県議は「上限は常識中の常識。絶対に守らないといけない。工作をするわけがない」と主張する。
こうした疑惑の背景に、近年の選挙で各陣営が運動員を確保しにくい状況が続いているからだと、多くの政界関係者が指摘する。ある秘書は「長時間声を張り上げ、候補者のイメージアップも気に掛けて行動するしんどい仕事。1万5千円では受けない人も多い」。
広島選挙区は、自民党現職で岸田派重鎮の溝手顕正氏(77)と同党新人の案里氏、野党系の無所属現職の森本真治氏(46)による三つどもえの激戦が展開された。自民党が二分した結果、溝手氏が落選した。「溝手氏の陣営に比べ、案里氏の陣営は運動員の確保に苦労していた」と複数の関係者が証言する。
今後、捜査機関などにより公選法の上限を超える対価を支払っていたと認められれば、買収行為として関係者が罪に問われる可能性がある。「報道が真実だったとしても何ら驚かない」。溝手氏はそう語った。 #河井夫妻秘書公選法違反事件
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