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光母子殺害 上告棄却 元少年の死刑確定へ 被害2人で初めて 最高裁「酌量すべき点ない」(2012年02月21日掲載)

2019/11/7 18:45

 1999年4月の光市母子殺害事件で殺人と女性暴行致死、窃盗の罪に問われ、差し戻し控訴審で死刑とされた元少年の大月孝行被告(30)の差し戻し上告審判決が20日、最高裁第1小法廷であった。金築誠志裁判長は「刑事責任はあまりにも重大で、死刑を是認せざるを得ない」として、弁護側の上告を棄却した。大月被告の死刑が確定する。

 犯行時少年の死刑が確定すると、故永山則夫元死刑囚による連続4人射殺事件で83年に最高裁が示した「永山基準」以降4例目。殺害被害者が2人のケースは初となる。大月被告は犯行時18歳と30日だった。

 金築裁判長は「何ら落ち度のない被害者の尊厳を踏みにじった冷酷、残虐で非人間的な犯行。動機や経緯に酌量すべき点は全く認められない」と断罪。「遺族の被害感情は峻烈(しゅんれつ)を極めている。平穏で幸せな生活を送っていた家庭の母子が、白昼、自宅で惨殺された事件として社会に大きな衝撃を与えた」と強調した。

 さらに、差し戻し控訴審で大月被告が「被害者に甘えようと抱きついた」「(死後の乱暴は)復活の儀式」などと全面否認に転じたことについて、「不合理な弁解を述べ、真摯(しんし)な反省の情はうかがえない」と指弾した。

 金築裁判長ら4人中3人の多数意見による結論。宮川光治裁判官(弁護士出身)は、死刑事件では極めて異例の反対意見を述べ「父親の暴力や母親の自殺などが精神形成に与えた影響をどう評価するかは重要なポイント」と指摘。「年齢に比べて精神的成熟度が相当程度低い事実を認定できれば、死刑回避の事情に該当し得る」として広島高裁に再び審理を差し戻すよう主張した。

 大月被告は99年4月14日、光市のアパートの会社員本村洋さん(35)方で、妻弥生さん=当時(23)=の首を両手で強く絞めつけて殺害し、乱暴。長女夕夏ちゃん=同(11カ月)=も床にたたきつけるなどした上、首をひもで絞めて殺害し、弥生さんの財布を盗んだ。

 最高裁判決に対し、宣告翌日から10日以内に訂正を申し立てることができるが、2000〜11年末に認められた例はないという。被告は判決前に大月姓に変わったが、その事情について関係者はコメントしていない。

 遺族の本村さんの話 死刑判決が下されたことは大変満足している。うれしさや喜びの感情は一切ない。厳粛な気持ちで受け止めないといけない。被告には犯した罪の重さを悔いる日々が来ると思うが、そこを乗り越え、死刑を受け入れてもらいたい。犯罪被害者の権利拡充の運動で法整備が進んだのが何よりうれしい。(2人には)私と家庭を持ってくれ、子どもとして生まれてくれたことに感謝している。(松本恭治)

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