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私立中、広がる英語入試 国際志向の児童獲得/「教育に力」PR/来年度、小学校で正式教科 導入校、さらに拡大も(2019年10月14日掲載)
中国地方の私立中で、入試に英語を取り入れる動きが広がっている。グローバルな人材を育成するため、小学生のうちから英語学習に取り組む意欲を評価し、国際志向の強い児童の獲得を目指す。「英語に強い学校」をアピールする狙いもある。英語が2020年度、小学校で正式教科になるのを機に、導入校が拡大する可能性もある。
銀河学院中(福山市)は19年度入試で初めて、英語1科目で受験できる専願枠を設けた。専願枠は合格すれば入学する前提で受験する制度。20年度入試では国語、算数の基礎学力を測るテストも加えて実施する。山陽女学園中等部(廿日市市)も18年度から「グローバル入試E方式」と呼ぶ専願枠を設置。英検3級(中学卒業程度)以上を出願要件にし、国語、算数の筆記試験と英語面接を課す。
AICJ中(広島市安佐南区)は約10年前から、専願枠ではなく一般入試に導入している。受験生は「国語、算数、社会、理科」の4教科か「国語、算数、英語」の3教科での受験を選択。英検3級以上の取得者は満点とみなされ、英語のテストが免除される。受験生の2割ほどが英語を選ぶという。
▽背景に国の改革
中学受験への英語導入は、英語を重視する国の教育改革が背景にある。20年度に始まる大学入学共通テストの英語では、英検など民間検定試験を活用し「読む・聞く・話す・書く」の4技能を試す。大学入試も見据え、幼い頃から英語に親しませる家庭が増えていることも影響している。
銀河学院中の谷本浩二・入試戦略広報部長は「英語学習の頑張りや意欲を高く評価したい」と導入の意義を強調する。山陽女学園中等部の石井具巳(ともみ)校長は「英語教育に力を入れている学校というイメージの定着にもつながる」とPR効果も期待する。
▽英検資格で優遇
また、英検資格を持つ児童を対象にした優遇制度を設ける学校も増えている。広島女学院中(中区)は、英検準2級(高校中級程度)以上の受験生を合否判定で優遇。呉青山中(呉市)など、英検の級に応じて加点する学校もある。如水館中(三原市)などでは奨学生を選ぶ基準にしている。
小学校で英語は20年度、国語や算数と並ぶ正式な教科になる。首都圏では今、入試科目として導入する私立中が急増している。首都圏模試センター(東京)によると、14年度入試では15校だった導入校は、19年度入試では125校と8倍になった。
中国地方でも導入校が拡大するとみる私立中関係者は多い。AICJ中の岩本知士(さとし)副理事長は「今の低学年が受験期を迎える頃、変化が出る可能性がある」と指摘。山陽女学園中の石井校長も「小学校の英語教育の行方を見守る必要はあるが、地方でも導入校は増えていくだろう」と話す。(奥田美奈子)
<クリック>小学校の英語の教科化 小学5、6年で外国語活動として行われている英語学習が、2020年4月から正式な教科となる。外国語活動は、音声や基本的な表現に慣れ親しむのが主な狙いだったが、「読む・聞く・話す・書く」の4技能を学び、評価も受けるようになる。併せて小学3、4年で外国語活動が始まる。
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