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絵本「よろこびのうた」完成 音楽茶房ムシカ描く(2002年04月18日掲載)

2019/11/21 10:27

 原爆投下後の廃虚の中、広島市民の憩いの場になった音楽茶房ムシカを描いた絵本「よろこびのうた」が完成した。街角に流れ、人々が聞き入ったというベートーベンの「第九」のレコード伝説を基に、市民七人が一年かけて創作。

 ムシカは、被爆翌年の一九四六年八月、南区猿猴橋町に開店。クラシックのレコード音楽で親しまれた。五五年には中区胡町に移転し、「うたごえ喫茶」のはしりにもなった。

 物語は、現代のムシカを一人の男性が訪れる場面から始まる。店内に「第九」が流れ出すと、男は四六年の大みそかにタイムスリップ。やみ市の雑踏の中、人々は「レコードのコンサートがある」とムシカを目指す。雪が降る夜、蓄音機から響く「第九」に、男は「ヒロシマが音楽で救われている」と感じる。

 絵本作りは、昨年四月にスタート。世界音楽祭「オーガスト・イン・ヒロシマ’99」でムシカの店内復元に携わった主婦や教員たちが取り組んだ。開店当時のムシカを知る人たちに聞き取り調査。ストーリーは二十回近く書き直し、挿絵の下書きも数百枚に上った。

 絵本はA4判、二十八ページで千二百円。

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