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「伝説の第九」音源探し ムシカ店主梁川さんと映画監督(2009年03月05日掲載)

2019/11/21 10:27

 広島市南区の音楽喫茶「ムシカ」で被爆翌年の大みそかに流され、人々を勇気づけた「第九」のレコードの音色を再現する試みに、店主の梁川(やながわ)忠孝さん(66)と、エピソードを映画化する監督小林一平さん(62)=神奈川県藤沢市=が挑んでいる。

 当時のベートーベン交響曲第九番のレコードは、七枚一組のSP盤。今も店にあるが、音色には雑音が混じり、時おり短く途切れる。小林さんは「伝説の音色を聴きたい」と音源を探し始めた。

 レコードはもちろん、復刻版CDも廃盤になっていた。発売元のドイツのレコード会社に、東京の系列会社を通じて問い合わせ、復刻版CDの複製を手に入れた。小林さんは「CDを初めて再生した時は感動で震えた。あの大みそかが浮かんでくるようだった」と振り返る。

 梁川さんは今年一月下旬、小林さんから複製のさらに複製を受け取った。「音飛びしない演奏はすばらしい」と喜ぶ一方、CD化や度重なるコピーによる音色の劣化も感じた。知人の音楽関係者に音色の調整も依頼したが「SP盤の響きにはまだ及ばない」という。

 小林さんは制作中の映画に店のSP盤と調整済みの複製の両方を使う準備を進める。その傍ら、ドイツ・ボンにあるべートーベンの博物館の運営団体に協力を仰ぎ、保存状態の良いSP盤探しを続ける。

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