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祭りの夜、広島騒然 暴走族摘発 怒号、逃げ回る少年 機動隊員にビール瓶(1999年11月19日掲載)

2019/11/21 17:27

 飛び交うビール瓶が、機動隊員のジュラルミン盾で割れた。広島県警では過去最大規模の暴走族取り締まりとなった十八日の「えびす講」の夜、少年たちが暴発した。「来いや」と捜査員を挑発する暴走族。無責任にはやし立てる周囲の若者たち。商売繁盛の神に景気回復を託す市民の願いは、怒号にかき消された。

 午後八時半、摘発は突然、始まった。歩行者天国となった中央通りの交差点に居座る暴走族に機動隊員が突入。逃げまどう茶髪の少年、金切り声を上げる「特攻服」に身を包んだ少女…。一部は祭り客を突き飛ばし、路地に逃げ込んだ。

 捜査員に両わきを固められ、暴走族たちは次々に機動隊のバスに。三十人近くを詰め込んだバスは広島東署に急行した。その後も気勢を上げる暴走族と機動隊員の小競り合いが続き、ビール瓶や缶が次々に機動隊員を襲った。

 交差点にはガラス片が散乱。暴走族OBらも姿を見せてもみ合いが続く中、県警は当初、午後十一時としていた規制解除を同十時に前倒し。車両を走らせることで、騒ぎの沈静化を図った。

 「逮捕されてもええんじゃ」とうそぶく赤い特攻服の少年。そのいきがりを、周囲の若者がはやしたてる。岩国市からきたカメラ店主(58)は「商売繁盛を願う場のはずなのに」とぶ然。広島市安佐北区内の主婦(60)は「家の近くでも暴走族が走り回っている。少年グループの強盗も続いているようだし…。広島はいつからこんなに怖い場所になったんでしょう」とこわ張った表情を見せた。

 日付が変わっても、中央通り近くの多目的広場「アリスガーデン」は、暴走族数グループが占拠した。「わしら、どこへ行きゃあええんや」。周囲への迷惑を自覚することのない暴走族。そして、騒ぎを期待して「特攻服」を見守る数十人の若者たち。甘えと無責任さが、照明がともる広場にあぶり出された。

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