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「カープは家族だ」 新井さん×キク新春対談 「最後の4年間は本当に充実」「リーダー役はみんなでやる」(2019年01月01日掲載)

2019/11/26
カープへの思いを語り合った新井さん(左)と菊池

カープへの思いを語り合った新井さん(左)と菊池

 2019年、広島東洋カープは新たな戦いに挑む。主力の移籍や引退で、過去3年とは顔ぶれが変わるシーズン。セ・リーグ4連覇、35年ぶりの日本一に向け、黄金時代の礎を築いた新井貴浩さん(41)と、新井さんに代わり「チームの顔」となる菊池涼介内野手(28)は「助け合い」の重要性を説く。広島の元気印の2人が、愛するカープを熱く語り合った。

 ―15年に新井さんが広島に復帰してから、チームのムードが変わったように思います。

 新井さん=以下新井 雰囲気は最高だった。これまで野球をやってきて楽しいと感じることはほどんどなかったが、広島での最後の4年間は本当に充実していた。キク(菊池)は中心的な存在。みんなを明るくしてくれたよね。

 菊池選手=以下菊池 新井さんが広島に移籍するまでは、試合中にあいさつする程度だった。阪神の選手というイメージしかなかったし、(チームメートになって)新鮮な感じがした。優しい人だろうな、とは思っていたけど。

 ―昨季限りで新井さんが引退しました。菊池選手の役割はどうなりますか。

 新井 やらなきゃいけないことは増えるよ。グラウンド外でもそうだ。今の広島には若く、素晴らしい選手がたくさんいる。(勝つには)こうしないといけないということが分かってきてはいるけど、それをもっと熟成させてほしい。

 菊池 (リーダーの役割を)僕一人がやるというよりも、(田中や安部ら)同じ世代がみんなでやっていこうと思う。それがベスト。そういう気持ちがチームに広がっていけば、もっとよくなる。

 ―菊池選手は、緒方孝市監督が就任した15年にもリーダーとして期待されたことがありました。

 菊池 あのころは(考えていることの)次元が低かった。今は自分の成績は関係なしに、チームが勝てばいいと思っている。成績を出して引っ張ってやろうという思いは、そこまでない。

 新井 30歳手前でそういう考えになれるのは素晴らしい。キクはお兄ちゃん的な感じでやってほしい。実際の家族でもけんかはするのだから、チームでも(もめることは)ある。その時、選手から「キクさん、若い子がこうなんですよ」と言ってきてもらえるような存在にならないといけない。

 菊池 投手、野手のコミュニケーションが大事。「打たれたい」とか「どうでもいいや」と思っている投手はいない。だから(打たれた時に)野手が投手を批判しても仕方ない。僕ら野手も全打席本塁打やヒットを打ちたいけど、それはできないのだから。

 ―2人は野球に取り組む姿勢は似ていますか。

 新井 初めてしっかりと話をしたのは、15年秋の湯布院キャンプかな。自分が若い頃は1年間試合に出たというご褒美が、湯布院だった。行くのがうれしかった。ところが広島に戻って石原に聞くと、「最近はみんな行かなくなったんです」と。なんでや、みんなで行こうやと。

 菊池 僕もみんなとわいわいするのが好きだったのでうれしかった。普段はチームの全員と深い話はできない。そういう和やかな雰囲気の中で野球の話をしたほうがすんなりと(頭に)入ってくる。

 新井 シーズン中に投手と野手が話し込むことは実は少ない。(菊池たちには)まずは投手と野手が助け合ってやっていかないと駄目だと話した。そうじゃないと、また(低迷していた)昔に戻るよと。

 菊池 それまでは(チーム内に)昔の名残が多少あった。先輩のところに近寄っていけない。(試合中)投手から「マウンドに来るな」と言われることもあった。広島に戻った新井さんが助け合うことの大事さを言ってくれた。野手もマウンドで投手に助言するタイミングを見ないといけない、ということを考えることができるようになった。

 ―お互いのプレーで印象に残っているものはありますか。

 新井 あり過ぎる。キクは本当にすごいから。僕は振り回された。例えば走者二塁で、センター前へ抜けそうな打球。一塁手の僕は(外野からの送球の)カットプレーに入らないといけないが、キクは捕っていることがあるからカットに入るのが遅れる。右前に抜けそうな打球もそう。この強さの打球なら安打だと目を切るとキクが捕っていた。

 菊池 年々(2人の)感覚が養われた。僕が捕れそうな打球は、新井さんが一塁に付いてくれていた。最初は「捕れる? 無理?」などと話していた。コミュニケーション、プラス察知能力。(一、二塁間のゴロで)新井さんと接触しそうになったことはほぼない。

 ―菊池選手は昨季、打撃で苦しみました。

 菊池 苦しいし、くそっと思う。ただ野村謙二郎(前)監督から「守備は(気持ちを)切り替えろ」と言われていて、その言葉がずっと頭の片隅にある。攻守交代でベンチから出るときはさっそうとポジションまで行くようにしていた。

 新井 口で言うのは簡単だけど、それはなかなかできないよ。(切り替える)苦労を周りで見ている人に感じさせず、集中して守る。それってすごい。

 菊池 好機で僕に打席が回ると、ファンが「ああ、菊池か」と落胆するのを感じる。申し訳ないという気持ちがいっぱいあった。守備の時は見とけよと。

 新井 いい時は何をやっても称賛され、肯定される。(われわれは)悪い時にどういう行動するかが大事。キクは昨年は苦しんだけど成長した。次に向けてステップアップした。

 菊池 チームのためにどうしようかを考えていた。積極的に打ったほうがいいのか、球を見極めたほうがいいのか、右打ちしたほうがいいのか…。気持ちがいろいろ動いた。考える隙がすごくあった。打てないのだったら、フライと三振でいいと思い始めた。内野の正面にゴロを打って併殺打になるなら、丸と(鈴木)誠也に走者を置いた状態でつなげればいい。

 ―新井さんが打撃の助言をすることはありましたか。

 新井 基本的にはしない。でも、クライマックスシリーズ(CS)の前、初めて言った。本人もどうしていいか分からない感じになっていた。らしくないなと。CSまで期間もあったので、「どこを意識しているの」と聞いた。それを聞いて、「それはおまえ違うぞ」と。その後、すぐにいい感じになった。シーズンとCSの内容が全然違った。

 ―具体的にはどんな指導ですか。

 新井 キクはこつこつ打つタイプの打者ではない。早めにタイミングを取り、回転して打つ。もともと体を大きく(使って)打たないといけない選手。その話をした。

 菊池 自分の打撃にしっくりきてない時に助言をもらって、CS前にシート打撃で(感覚を)取り戻した。2、3日くらいでよくなった。

 新井 打った、打たないの結果ではない。凡打の内容が大事。アウトでもセンターから逆方向への打球になった。「フライを打つのは駄目」ということではない。キクは中距離打者。3割20本塁打くらい普通に打てる。まだ伸びる。

 ―今後、新井さんから助言を受ける機会は減りますね。

 菊池 何かあったら、すぐに電話をかけると思います。頻繁にするタイプ。くだらない出来事(の報告)とかも。

 新井 それは楽しみ。けがしちゃいました、とかの電話はやめてほしい。キクだけでなくみんなに対し、「けがすんなよ、風邪をひくなよ、飯ちゃんと食えよ」という心配がある。

 ―丸佳浩選手が巨人へ移籍しました。

 菊池 周りは「新しい戦力が出る」と言うかもしれない。でも、そういうわけではない。丸とは7年間やってきた絆、あうんの呼吸があった。守備では、丸ならここまで(球を捕りに)来る。丸も「キクならここまで来る」というのが分かっていた。

 (その関係を)また一からつくり直さないといけない。簡単ではない。(打撃では)誠也に負担がかかるかもしれない。僕らも「出塁しないといけない」と(力んで打撃が)おかしくなる可能性がある。大丈夫だとは簡単には言えない。だからみんなで(役割を)分散して、カバーするしかない。個人で背負わない。

 新井 物事は順調にはいかない。真っすぐにはいかない。でも、うねりながらでもいい方向にいけばいい。今のチームが違う方向にいくことはない。こうやったら優勝できるという道が見えるはずだ。キク、頑張れ。

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