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カズ支えた家族愛 サンフレ引退試合、涙で見届ける 闘病13年、勇姿「奇跡に近い」(2018年11月25日掲載)

2019/11/27 21:20
森崎選手(中)の隣で記念写真に納まる妻志乃さん(右)

森崎選手(中)の隣で記念写真に納まる妻志乃さん(右)

 24日に広島市安佐南区のエディオンスタジアム広島であったJ1サンフレッチェ広島のMF森崎和幸選手(37)の引退試合。ピッチサイドには、妻志乃さん(39)の姿があった。結婚してから13年、体調不良に苦しむ夫を支え続けてきた。「こんな最後を迎えられるのは、私たちにとって奇跡に近い」。サポーターの大声援を浴びる夫の姿を、涙で見届けた。

 病との闘いは、夫婦の歴史と重なる。志乃さんは、森崎選手がオーバートレーニング症候群を発症した2006年に結婚。09年には慢性疲労症候群の診断も受けた。「持病があるのは知っていた。覚悟して結婚した」と動じなかった。

 療養のためチームを離れた夫に、寄り添ってきた。夫は症状が重くなると睡眠薬を飲んでも眠れず、満足に会話もできなくなった。2人の子どもは理不尽に叱られるようになり、志乃さんの実家で過ごさせたこともある。「いつも自分を責めていた。できることなら代わってあげたかった」と振り返る。

 今年2月。再び体調を崩してチームを離れた夫から引退の意思を告げられた。その時、志乃さんは決めた。「腫れ物に触るようにせず、夫の姿を子どもにも包み隠さず見せて、家族で向き合おう」。きつい言葉をぶつけられても、努めて明るく、普段通り接した。

 7月、志乃さんの呼び掛けで、森崎選手の散歩に家族が参加するようになった。志乃さんと幼稚園児の長女日葵(ひまり)ちゃん(6)が見守る中、小学4年の長男陽太(ひなた)君(9)を連れての散歩はいつしかランニングに変わっていった。暑い日も雨の日も走った。「またパパがプレーする姿が見たい」。陽太君の言葉が父の心を揺さぶり、背中を押した。

 「主人は子どもに『諦めたら終わり』と言い聞かせ、自らも乗り越えてきた」と志乃さん。森崎選手の最後の勇姿には、家族の愛がにじんでいた。

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