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一人一人の名前、動態調査 広島市

2019/11/27 22:43

 広島市の「原爆被爆者動態調査」は、生存被爆者も含めて一人一人の名前を把握する調査。全体のデータから「45年末までの死亡者」を抜き出し数えている。名前は分かっていながら遺骨は不明の人も含む。

 市は69〜76年度に「原爆被災全体像調査」を行った。爆心地から2キロ以内がほぼ全壊・全焼した広島の街並みを、戸別地図として「復元」。地図上の1軒ごとについて被害情報を集めた。広島大とNHK広島放送局が爆心地500メートル以内で先んじて実施したのを受け、市が予算を投じて対象地域を広げた。

 この全体像調査をベースに始まったのが、動態調査だ。90年度末時点で確認死者数は9万人を超えた。同時に、名前の重複が判明したため修正も加えている。

 現在、市の「情報源」は主に二つ。原爆死没者名簿への新規登載を望む遺族がいれば、申請内容を動態調査にも反映させている。新たに被爆者健康手帳の交付申請がなされた際、申請書の記入内容から親族の被爆死が判明することもある。とはいえ調査の手詰まり感は否めない。

 犠牲者の名前は、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(中区)にも、遺族らの届け出で登録されている。3月末現在、46年以降の死者を含め2万3020人。ただ、同館が持つ情報は動態調査に活用されていない。連携が問われる。

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