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客引き最大グループ解散 広島の流川・薬研堀地区(2019年10月09日掲載)

2019/11/30 19:00
解散した客引きグループのリーダーが経営していた風俗店の無料案内所(右端)。看板は残るが、明かりは消えている

解散した客引きグループのリーダーが経営していた風俗店の無料案内所(右端)。看板は残るが、明かりは消えている

 ▽県警 捜査手法変更が効果

 風俗店などに勧誘する違法な客引きが横行している中四国最大の歓楽街、広島市中区の流川・薬研堀地区で、地区最大の客引きグループが7月に解散していたことが広島県警への取材で分かった。風俗店の無料案内所を拠点に20人前後が活動していたが、県警の摘発を受けて案内所が廃業届を出した。県警は、他にも客引きグループが複数あり、風俗店から得る紹介料の一部が暴力団に渡っている可能性があるとみて組織の実態解明に力を入れている。

 広島中央署によると、解散したのは、グループ「よもなび」。同署などは昨年6月以降、同グループに所属する県内や関西出身の19〜32歳の少年と男の客引き6人を県迷惑防止条例違反(客引き)の疑いで逮捕。今年7月には、客引きの供述などから無料案内所を経営する30代のリーダーの男を同条例違反(対償供与)容疑で逮捕した。

 この男は最大で約20人の客引きを雇い、風俗店やキャバクラに客を勧誘。客引きには、風俗店などから得る紹介料の半分を報酬として支払っていた。

 同署などが関係先から押収した書類には、客引きの名前や紹介料の売り上げが記され、男は「客引きの給料計算のため」と説明したという。客引き13人が78組281人を風俗店に紹介し、77万円を売り上げた日もあり、客引きの報酬は最も多い人で約6万円に上っていた。男は罰金刑が確定し、7月に廃業届を出しグループは解散したという。

 ▽現場で逮捕せず

 客引きの捜査では県警は従来、歓楽街に私服警察官を出し、客引きが勧誘した時点で現行犯逮捕していたが、「1人でやった」と主張し、上層部への捜査が行き詰まることが多かった。このため今年は、私服警察官が勧誘を受けた現場では逮捕せず、出入りする店などを特定した上で逮捕する手法を取っている。

 8月には別のグループに所属し、客引きをしていた大学生の男を逮捕。大学生の供述から雇い主の無料案内所を突き止め、経営者の男とリーダー格の男(27)の逮捕につなげた。

 一方、グループ側は警戒を強めている。県警が押収した「警察対策」などと称した内部のマニュアルには「警察に誰かが捕まった、または捕まったことがある警察官を見たといった情報はグループ全員に連絡する」「(逮捕されて)どこの案内所か、どこのグループか聞かれても『1人で勝手にやった』と答える」などと記してあった。

 ▽暴力団資金源か

 流川・薬研堀地区の客引きは近年、規制が厳しい九州や関西から出稼ぎに来るケースが目立つ。「客引きを取り締まって」などと県警に寄せられる通報は増加傾向で、昨年は962件と前年から206件増加。今年も1〜5月で507件に上る。同署の井本雅之署長は「違法な客引きによる売り上げの一部が暴力団の資金源になっている可能性がある。安心安全な歓楽街にするため、引き続き摘発を強め、組織の全容解明につなげたい」としている。


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