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児童ポルノ 狙われる子どもの性 ネット時代のわな 脅されて「自画撮り」 10年で3倍 低年齢化が進む(2015年07月27日掲載)

2019/12/1 16:39

 児童ポルノとは、性的対象として子どもの露出した胸やおしりなどを撮影した写真・動画を指す。その被写体とされ、被害に遭う子どもが急増している。背景にあるのはインターネットの普及だ。子どもが簡単に見知らぬ人とつながり、相手のわなにはまるケースが後を絶たない。児童買春・児童ポルノ禁止法の改正で、今月から画像の「所持」も罰則対象に加わった。法改正が子どもを守る抜本策となるのか。まずは、児童ポルノ犯罪の現状を追う。

 14歳の女子中学生はコミュニティーサイトで、ある男と知り合った。趣味の話で意気投合し、LINE(ライン)でやりとりを重ねた。学校や家の悩みに耳を傾けてくれる男に、女子中学生は心を許していく。

 自分の顔写真を送ると、男から返信が来た。「かわいいね」。次に下着姿を送るよう求めてきた。嫌われたくなくて、スマートフォンで「自画撮り」した。

 要求はエスカレートしていく。「裸を送れ」―。抵抗すると、こう脅された。「学校も名前も知っている。言うことを聞かないと下着姿の画像を(ネット上で)ばらまくぞ」

 児童ポルノの被害者らを支援するNPO法人人身取引被害者サポートセンター「ライトハウス」(東京)が把握したケースの一つ。女子中学生はスタッフのサポートを受け、警察に被害を報告したという。

    ◇

 警察庁の調べでは、2014年の児童ポルノ事件の被害者は全国で746人。10年で3倍に増えた。被害届を出さないケースもあり、実際の数はさらに多いとみられる。

 被害の特徴の一つが「自画撮り」画像だ。この女子中学生のように被害者の4割が自分で撮影させられ、画像の送信を強要されている。さらに「拡散する」と脅され、追い詰められて相手の言いなりになるケースが目立つ。誰にも言えず、繰り返し被害を受ける子どももいるという。携帯電話やインターネットが、児童ポルノ犯罪のツールとして使われている。

 ネットで人とつながろうとする子どもたち。女性になりすまして安心させ、子どもに近づくケースもある。オンラインゲームでコインと交換する代わりに自画撮り画像を要求するケースも。広島県警少年対策課は「携帯電話に依存する中高生は多く、身近なところに被害のリスクは潜んでいる」と警鐘を鳴らす。

 一方、被害児童の低年齢化も深刻だ。14年の被害者のうち、小学生以下は138人。性的虐待やわいせつな行為を受け、その様子を撮影された被害が7割に及んだ。親や保育士など身近な大人が無抵抗な子どもの画像を撮って愛好者に提供するケースもある。

    ◇

 こうした現状に歯止めをかけるため、法改正で今月から「単純所持」が禁止になった。性的好奇心を満たす目的で18歳未満のポルノ写真や映像を所持した場合、1年以下の懲役か100万円以下の罰金が科される。同課は「子どもの性を商品化する罪への意識が低下している。児童ポルノを許さない社会へ監視を強めていく」と話している。(標葉知美)


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