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課金ゲーム、ヤミ金利用の末 報酬1000円で譲渡目的口座 母娘に詐欺の有罪判決(2018年12月02日掲載)

2019/12/4 13:52

 広島地裁呉支部で18日、他人に譲り渡す目的で口座を開設し、詐欺罪に問われた神奈川県座間市の女(46)に執行猶予付きの有罪判決が言い渡された。呉市出身。生活保護を受けながらヤミ金融で借金を重ね、ヤミ金業者にそそのかされて江田島市に住む実母(69)=詐欺罪で有罪確定=にも口座開設させた上、母娘で逮捕されていた。

 公判などによると、女は1月、母親に口座を開設させて通帳などを受け取り、ヤミ金業者に渡した。借金を帳消しにしてもらうためだったという。自らも昨年6月に少なくとも3金融機関で口座を開設、ヤミ金業者に渡していた。

 女は生活保護を受けながら娘2人を養育している。下の娘はまだ小学生。それなのに携帯電話の課金ゲームにはまった。過去に自己破産も2回経験しているのに、昨年3月ごろからヤミ金業者に1回当たり数万円を借りていた。その経済感覚のなさが、ヤミ金業者の目には「かも」と映ったのかもしれない。

 譲り渡した際の報酬はわずか千円。女は生活苦から犯罪に加担したことを悔いたが後の祭りだった。

 公判では、女は昨年6月ごろに5万円を借りようとヤミ金業者に電話した際「2万円しか貸せない。口座を作れば追加で3万円を貸せる」と言われ、口座が悪用される可能性を感じつつも犯罪に手を染めるようになったという。

 母親も女が生活に困っていると分かっていたが、お互いに生活保護を受けながらの暮らしに余裕はなかった。最初は口座開設を断っていたが、何度も女に懇願され「助けてやりたい」と応じてしまったという。

 自宅近くの金融機関で1円だけ入れて母親が開設した口座は女を通じてすぐにヤミ金業者に渡った。母親の口座は開設から約1カ月後の2月15日から約20日間で42回の入金と44回の出金があった。金融機関が異常に気づき、母親を問い詰めてようやく犯行が明るみに出た。

 検察側は公判で「ヤミ金業者の現金回収口座などに使われ、犯罪行為を助長した点も強い非難に値する」と母娘が犯した責任の重さを指摘した。

 公判で女は「もうしません」と誓い、母親は「後悔している。もう江田島では暮らせない」と消え入るような声で話した。女は今月からコンビニ店で仕事を始め、来年からは座間市で母親と一緒に住む意向も示した。母娘は支え合って生活を立て直すつもりだが、失った代償はあまりにも大きい。(浜村満大)

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