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広島中央署8572万円盗難  広島県警、内部補填へ  詐欺被害救済に備え(2019年02月05日掲載)

2019/12/10 15:11

 広島中央署(広島市中区)で2017年に広域詐欺事件の証拠品8572万円が盗まれた事件を受け、広島県警が内部で現金を集め、盗まれた金を補填(ほてん)する方向で準備を始めたことが4日、分かった。幹部にはポストに応じた金額を割り当て、警察職員の互助組織などからの拠出金も想定している。今後、詐欺事件の被害者救済のため、盗難金の穴埋めが必要となる事態が想定されており、税金による補填を避ける狙いがあるとみられる。

 関係者によると、所属長級以上の警視正や警視には役職に応じた金額を設定して個別に集める。既に具体的な金額が示され、払った幹部もいる。残りについては、相互救済や福利厚生のため県警の全職員が加入している県警察職員互助会や退職者組織の拠出金で賄う方向で調整を進めている。

 県警によると、盗まれた現金は、生前贈与をかたるメールを不特定多数のアドレスに送って現金をだまし取ったとされる広域詐欺事件の被害金。県警が17年2月、詐欺事件の主犯格とされる住所不定、無職中山和明被告(35)の関係先から約9千万円を押収し、中央署の金庫で保管していたが、そのうち8572万円が盗まれているのが同年5月8日に発覚した。

 中山被告は組織犯罪処罰法違反などの罪に問われ広島地裁で公判中。判決が8572万円を含む押収金を犯罪被害財産と認定するなどし、確定すると、押収金は詐欺事件の被害者への返還に充てられる。その時点で、盗まれた現金を回収できていない場合、県警は穴埋めをしなければならない。県費での補填も考えられるが、警察署で保管中の多額の現金が盗まれた前代未聞の事件であり、県警は県民の理解を得られないと判断。関係者が入れ替わり、退職者も出る春の定期異動が迫る中、内部補填の方針を決めたとみられる。

 盗難発覚から約1年9カ月。県警は内部犯行の可能性が高いとみて捜査を続けているが、容疑者の特定や現金の回収には至っていない。一方、県警は盗難が発覚するまでの2カ月弱の間、現金を入れた金庫内の箱の中を確認していないなど、ずさんな管理の実態が明らかになっている。

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