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【社説】インフルエンザ猛威 予防徹底し乗り切ろう(2019年01月27日掲載)

2019/12/10 17:49

 インフルエンザが猛威を振るっている。全国約5千の医療機関から報告を受けた患者数は、20日までの1週間で1機関当たり53・91人だったと厚生労働省が発表した。過去最多だった昨冬のピーク時に次ぐ勢いというから心配である。

 すでに44都道府県で「警報レベル」を超えている。中国地方でも、島根を除く4県が警報を発表中である。島根でも学校閉鎖などは相次いでおり、注意を怠るわけにはいかない。

 医療機関で受診した人は全国推計で約213万人に上り、まだ増加が見込まれている。予防を徹底し、感染の拡大に十分な警戒をしたい。

 気掛かりなのは、集団感染で死者も出ていることだ。兵庫県淡路市や前橋市の老人ホームでは入所者が命を落とすなど、高齢者施設での集団感染が深刻化している。お年寄りは抵抗力が弱く、持病の悪化などで重症化する場合があるという。職員はもちろん、見舞客など訪れる人も細心の注意が要る。

 体力のない乳幼児についても同様のことが言えよう。脳炎や脳症を引き起こす恐れもある。保育所や幼稚園をはじめ、予防には万全を期してもらいたい。

 インフルエンザは例年、冷え込みが厳しく、空気の乾燥する1月末から3月上旬にかけて流行のピークを迎える。主にせきやくしゃみなどに含まれるウイルスを吸い込んだり、接触した手指が口や鼻に触れたりすることでうつる。

 まずは感染予防が欠かせない。流行期の今は、人混みや繁華街への外出はなるべくなら避けたい。やむを得ない場合にはマスクの着用を心掛け、手洗いやうがいを徹底しよう。ウイルスは乾燥した所で活性化しやすいため、室内の湿度を保つ工夫が必要になる。

 かかってしまった場合にも注意が要る。厚労省によると昨シーズン、インフルエンザ患者の異常な行動が子どもを中心に95件報告されている。突然走りだしたり、窓を開けて飛び降りようとしたりしたという。

 治療薬を服用していなかった例もあり、異常行動と薬の服用との関係は分からないようだ。患者をなるべく1人にさせない▽一戸建て住宅の場合はなるべく1階で療養させる―などと厚労省は呼び掛けている。

 思わしくない体調を押しての外出も禁物である。東京では先ごろ、37歳の会社員女性が駅のホームから転落し、電車にはねられて死亡する事故が起きている。体からインフルエンザウイルスが検出されており、女性は2日前から会社を休んでいたそうだ。無理をして出勤しようとしていたのだろうか。

 幼稚園児から大学生までは、インフルエンザにかかると学校保健安全法施行規則で「出席停止期間」が定められている。

 大人には法的な就業制限はないものの、労働契約法は、従業員の生命と健康を保護するよう義務付けている。それを受け、従業員が休めるようにルールを整備している企業も多い。それぞれの職場でいま一度、制度を確認しておきたい。

 ワクチンの接種は一定程度、発病を抑え、重症化を防ぐ効果がある。ただ、絶対にかからぬわけではない。接種済みと油断することなく、日ごろからの予防をお互いに心掛けよう。

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