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公立高入試で外国籍生徒に配慮 帰国子女の「特別枠」を適用 進学の壁なくす(2019年12月18日掲載)
広島県教委は2020年春に実施する公立高の全日制一般入試(選抜II)から、外国籍の生徒に配慮する仕組みを導入する。これまでは帰国子女たちが対象だった特別枠(各高2人)を外国籍の生徒にも適用。受験科目を減らすなどして高校進学へのハードルを下げ、進路選択の幅を広げる。
特別枠の入試は理科と社会を受験科目から外し、代わりに作文と面接を課す。国語、数学、英語の3教科については他の生徒と同じ内容だが、問題文に平仮名のルビを振る。日本の中学を卒業した、もしくは卒業予定で来日後6年以内の生徒を対象とする。
中国地方では既に島根、鳥取両県教委が高校入試の受験科目を減らすなどの対策を講じている。文部科学省も6月、全国の教育委員会に特別な配慮を促すよう対応を求めた。外国人労働者の増加に伴い、日本語を習得するための支援が必要な子どもも増えていることが背景にある。言葉が壁となり、進学を諦めざるを得ないケースもあるという。
愛知淑徳大の小島祥美准教授(教育社会学)は「こうした配慮によって外国籍の子どもの学びの場が広がる」と評価する。一方で、入試問題が日本語で出題されることについて「結局、日本語力が問われている」と指摘。「問題を多言語化するなど、学力をきちんと測るための体制づくりが必要だ」としている。
【解説】卒業後も見据え支援を
日本語という言葉の壁に直面する外国籍の子どもに対し、公立の全日制高校への門戸を広げる―。広島県教委が示した方針は、大きな前進であることは間違いない。ただ、やや出遅れた感も否めない。
既に約20都道府県の公立高入試で特別枠を設けるなどの対策が施され、学科試験を免除する自治体もある。文部科学省は全国の教育委員会に配慮を求めており、広島県教委もそんな時流に乗った格好といえる。
実際、言葉の習得が不十分な外国籍の子どもにとって、公立の全日制高への進学は険しい道だ。中国新聞の調査では全日制高への進学率は45%で、公立と私立の割合は半々の22・5%ずつだった。受験科目を少なくするなどの対応を取る私立が、選択肢の一つになっている。
また、定時制高に進んだ人も25%いた。貴重な学びの場だが、全日制高に比べて圧倒的に数が少なく地域も限定的だ。進学の機会を増やす上でも、全日制に入学しやすい体制をつくった意義は大きい。
とはいえ、ようやくスタート地点に立ったにすぎない。日本語指導が必要な高校生の1割が中退しているという文科省のデータもある。「入りやすくした」だけでは中退率を押し上げかねない。いかに日々の学校生活で日本語習得を促すか。高校卒業後を見据えたサポート体制もセットで考えるべきだろう。(小林可奈)
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