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西日本豪雨1年半 岩国や周南でダム建設、新たに15基

2020/1/7
砂防ダムの建設工事を見守る坂本さん。「西日本豪雨は想像を超えた災害だった」と振り返る

砂防ダムの建設工事を見守る坂本さん。「西日本豪雨は想像を超えた災害だった」と振り返る

 山口県内で3人が亡くなるなどした2018年7月の西日本豪雨から6日で1年半を迎えた。防災力の強化へ県は豪雨後、土砂崩れで大きな被害が出た岩国市や周南市を中心に砂防ダムや治山ダム計15基の建設を決定。被災箇所の多さや資材不足で遅れていた工事もようやく本格化し、各地で建設が急ピッチで進む。

 岩国市周東町西長野の鳴川地区。豪雨時は治山ダムを土砂が乗り越え、巨石や木々で道路が通れなくなった。地区の上流では現在、新たな砂防ダムの建設工事が進む。「今でも雨が降ると夜中でも目が覚める。昨年の梅雨時は不安だったが砂防ダムが完成したら少しは安心できる」と工事現場を眺める地区の農業坂本敦彦さん(62)は期待する。

 西日本豪雨では住宅が押し流されるほどの土砂災害が発生し、周東町と周南市樋口で計3人が亡くなった。県は両市に砂防ダムを7基、両市と光市に治山ダムを8基設ける。うち治山ダム3基は既に完成し、残りの治山ダムは19年度中、砂防ダムは20年の梅雨時までには本体工事を終える予定だ。

 周東町に新設する砂防ダム4基は当初、昨年の梅雨時までの完成を目標としていた。だが、地元住民への説明や測量調査などに時間がかかり、予定していた18年度中の着工ができず完成時期もずれ込んだ。岩国土木建築事務所の小倉和久次長は「天候に左右される面はあるが、20年の梅雨には間に合わせたい」と話す。

 市民生活に欠かせない道路は、国道などの基幹道路でも一部で片側交互通行が続く。岩国市が管轄する事業費130万円以上の工事は19年12月現在、市道が58件中18件、河川は32件中7件が完了した。一方、生活道がいまだに通行止めとなっている地域では住民の日常生活にも影響が残る。

 周東町西長野の上長野地区に住む森田利子さん(88)は自宅近くの橋が被災し、護岸工事や橋の架け替え工事が終わるまで生活道でもある市道が使えないままだ。自宅前のバス停も運休しているため通院はタクシーを利用。水路が壊れた約10アールの田んぼは今年も田植えができない。

 橋が完成して市道が復旧し、市の生活交通バスが運行を再開するのは11月ごろになる見込み。森田さんは「工事が終わるのを待つしかない。復旧までこんなに時間がかかるとは思わなかった」と疲れた様子で話す。(加田智之)

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