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四季の移ろい、庄原の顔に 備北丘陵公園、20年4月で四半世紀(2020年01月01日掲載)

2020/1/7 17:47
開園から四半世紀になる国営備北丘陵公園。無料開放された北入口の「里山の駅 庄原ふらり」(右下)は市民の憩いの場になっている(撮影・山本誉)

開園から四半世紀になる国営備北丘陵公園。無料開放された北入口の「里山の駅 庄原ふらり」(右下)は市民の憩いの場になっている(撮影・山本誉)

 庄原市の国営備北丘陵公園は今年4月で開園から四半世紀の節目を刻む。マツダスタジアム(広島市南区)約150個に相当する約340ヘクタールの敷地には、四季を通じて花を楽しめるエリアやオートキャンプ場があり、家族連れを中心に年間約45万人が訪れる。近年は観光スポットとしてだけでなく、市民の憩いの場としても注目を集める公園の現状と歩み、展望を見る。

 ▽里山の駅開放 にぎわう

 庄原の市街地に最も近い北入口にある「里山の駅 庄原ふらり」は、2018年3月に無料開放された約3ヘクタールのエリアだ。レストランや売店が入る建物、芝生の広場、約650台分の駐車場などがある。公園と市街地の回遊性を高めようと、国や市などでつくる運営協議会が社会実験として無料開放を始めた。

 人気のパン販売店を集めたマルシェ(市場)、野外映画観賞会などのイベントを開催するほか、保育所などの遠足でも使われる。2年目となる19年上半期(4〜9月)の来場者は約8万9千人と初年度の1・8倍に増え、有料である丘陵公園の入園者増加にもつながっている。

 丘陵公園本体は、春はチューリップやスイセン、夏はヒマワリ、秋はコスモスなど四季折々の花が楽しめるほか、冬は70万個の電灯で彩るイルミネーションが人気だ。中国山地の里山の風景を再現し、たたら製鉄などを体験できる「ひばの里」は、地域文化を学べるエリアとしての魅力もある。備北公園管理センターの奥井智裕センター長(56)は「中国地方で唯一の国営公園として庄原になくてはならない財産だ」と話す。

 ▽従業員100人、雇用に貢献 「グリーンウインズさとやま」社長・藤光有さん(73)

 国営備北丘陵公園の管理を受託する第三セクター「グリーンウインズさとやま」の社長で、開園前の準備から携わる藤光有さん(73)は「丘陵公園だけが栄えることがないように」との信念で公園の管理運営を続けてきた。

 藤光さんが17年続けた酪農をなげうち、同三セクに入ったのは1994年。47歳だった。当初は市などの出向者を含めた従業員は6人。園内の「ひばの里」に再現する古民家のかやぶき屋根の材料探しのため、市内外を鎌を持って歩いた。「社長の仕事も大変じゃのうと笑われた」という。

 徐々に営業エリアを拡大して業績を伸ばし、パートを含む従業員は約100人になるなど、地域の雇用にも貢献してきた。2013年に国の業務委託が入札制に変わっても「絶対に雇用を守る」と奮闘してきた。

 花や電飾を売りにするハウステンボス(長崎県佐世保市)など全国のテーマパークが競争相手だと意識してきた。一方、国の予算の範囲内でしか投資やイベント展開ができない国営ならではの限界も感じてきた。そんな中、18年に無料開放した北入口の「里山の駅 庄原ふらり」が、新たな核になると期待を掛ける。

 今年5月で社長を退こうと思っている。「今後も、地元で安定した雇用を生むと同時に市民にも愛される公園になってほしい」と願っている。(永井友浩)


この記事の写真

  • 70万個の電球で彩るイルミネーション。花火が上がる週末は入園者も多い
  • チューリップが満開となっている「花の広場」(2019年4月)
  • 藤光有さん

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