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被爆翌年に「第九」レコード演奏会 伝説の音楽喫茶「ムシカ」閉店へ(2019年12月31日掲載)

2020/1/12 16:19
最終回となった「第九」のレコードコンサートに聞き入る常連客たち(撮影・大川万優)

最終回となった「第九」のレコードコンサートに聞き入る常連客たち(撮影・大川万優)

 3月末で閉店する純音楽茶房ムシカ(広島市南区西蟹屋)で31日、最終回となる「第九」のレコードコンサートが開かれた。被爆翌年の大みそかに始まった恒例行事で、市民を励まし続けてきた「歓喜の歌」に常連客らが耳を傾けた。

 ムシカは、店主の梁川忠孝さん(76)の父義雄さん(故人)が1946年8月、南区猿猴橋町で開店。その年の12月31日、ベートーベンの交響曲第9番のレコードをかけ、店外にまであふれた人々が涙を流して聞いたという「第九伝説」で知られる。中区胡町に移転後、66年から長男の梁川さんが店主を務め、2000年に現在地に移った。

 コンサートは店内にある創業当初を復元した音楽ホールで開催。レコードの音源を基にしたCDを高音質のスピーカーで流した。詰めかけた約50人がコーヒーを片手に、懐かしさが漂う音色にじっと聞き入った。

 高校時代、胡町店に通い始めたという間宮研爾さん(83)=佐伯区=は「当時はレコード1枚買うのも大変な時代。大好きな交響曲をリクエストして聞くのが何よりの楽しみだった」と閉店を惜しんだ。梁川さんは「音楽が好きな人々に支えられてきた。残りの3カ月間を全うしたい」と穏やかな表情で語った。(西村文)

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