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「ほめちぎる自動車教習」体験してみた 「成長を実感。やる気出る」 銀行でも褒め方研修導入(2019年12月05日掲載)
部下や生徒などへのパワハラが社会問題化する中、怒らずに褒める指導で能力を伸ばす手法が注目を集めている。山口県内でも自動車学校が教習で応用し、銀行は管理職向けに研修を開く。怒ってばかりで周りから煙たがられている「鬼上司」の皆さん。褒める効果に目を向けてみませんか。
山口市大内千坊の山口そうごう自動車学校は今年4月から「ほめちぎる教習所」の看板を掲げる。褒めるに特化した指導法が口コミで評判となり、この半年間の入校者は前年より10%増えた。指導員だけでなく管理職や事務員も全員が一般社団法人「日本ほめる達人協会」が主催する「ほめ達検定」3級の取得者だ。
「障害物のよけ方がうまくなったね」。所内のコースを走る教習車で助手席の指導員が笑顔で声を掛ける。ハンドルを握る山口大1年の山口颯斗さん(19)=同市平井=の顔がほころぶ。「褒められるとやる気が出る。成長も実感できてうれしい」と話す。
記者も実際に休憩時間を利用して約1時間の教習を体験した。車に乗り込む際から指導員の本永陽子さん(41)が丁寧に声を掛ける。左折の際には「ミラーの確認から目視まできちんとよくできました」と褒められた。S字カーブで脱輪することなく切り抜けると「ちゃんと車体の幅を理解して運転できてるね」とたたえられ、停車後に思わずハイタッチ。本永さんは「教習生はもちろん、同僚のいいところも発見できるようになった」と話す。
「ほめちぎる教習所」は三重県伊勢市の南部自動車学校が2013年2月に始めた。少子化や若者の車離れの中、怒られて厳しい指導のイメージを変え、生徒を獲得する狙い。入校者を大幅に増やして注目を集めた。商標登録を取った現在、山口のほかに岐阜県の自動車学校が同校から認定を受ける。また、広島県海田町の海田自動車学校は独自に「ほめる教習」のキャッチフレーズを掲げる。
山口そうごう自動車学校の田中秀明社長は「生徒獲得という経営面だけでなく、上司や同僚が互いに褒め合うことで職場の雰囲気が明るくなり、コミュニケーションが活発化した」と手応えを語る。
▽西京銀は支店長に研修
周南市の西京銀行は今年7月、同市の本店で管理職向けに部下の褒め方を教える研修を初めて開き、支店長たち50人が参加した。
研修にはほめる達人協会の講師を招き、隣り合った人を褒めたり、ネガティブな言葉を前向きな言葉に言い換えたりすることに挑戦。10月にも本店で2回目の研修を開いた。企画した新本幸主任調査役は「研修は参加者に予想以上に好評だった。今後も折を見て開き、行内で褒める技術の浸透を図りたい」と話す。
褒める指導法に企業が注目する背景としてパワハラへの視線が厳しさを増していることが挙げられる。山口労働局に18年度寄せられた労働相談のうちパワハラを含む「いじめ・嫌がらせ」は過去最多の1101件。全相談件数の3割を占める。同局の今井浩二労働紛争調整官は「報道で大きく取り上げられ職場でのパワハラへの意識が高まっている」と指摘している。(東聡海)
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