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広島知事、高速5号事業費の大幅増額 「深くおわび」(2019年12月10日掲載)

2020/1/26 12:44

 広島県の湯崎英彦知事は9日に始まった県議会一般質問で、広島高速5号二葉山トンネル(広島市東区)の事業費の大幅増額など広島高速道路公社(東区)を巡る問題について「県民の信頼を損なう事態を招き、責任を痛感している。深くおわびする」と陳謝した。問題の背景として「事業推進を優先したことなどに表れる公社の風土」を挙げ、出資者の県も含めた意識改革を進めると強調した。

 この日の一般質問では登壇者3人のうち、最大会派の自民議連(33人)の下森宏昭氏(三次市)と、自民党広志会・つばさ(7人)の宮本新八氏(山県郡)の2人が取り上げた。それぞれの関連質問で、小林秀矩氏(自民議連、庄原市)と渡辺典子氏(自民党広志会・つばさ、安佐北区)も、自席から県をただした。

 湯崎知事はまず、高速5号を巡る公社の問題について陳謝した。二葉山トンネルの増額は、公社が事業推進を意識するあまり、工事費の十分な検証をしないまま契約成立を優先した結果だと説明。「公社に県職員を出向させている立場からも、改めて強く反省する。公社の改革へ、県としても真剣に取り組む」とした。

 二葉山トンネルの事業費で、公社と共同企業体(JV)が当初の契約額(199億9999万800円)と比べて増やすと合意した87億2千万円は「契約時に立ち戻った適正な額だ」とした。増額分を見込んで県議会に提出した整備計画の変更同意案に対して、理解を求めた。

 JVが完成に欠かせない6項目の工事費を除いた見積書を出したのに、公社が契約した経緯を、複数の県議が疑問視した。公社が設けた第三者委員会は、3月の報告書で「増額する合意はなかったと解さざるを得ない」とする一方、両者の契約手続きに「不適切な対応があった」と断定した。

 渡辺氏は「増額ありきの契約だったのではないか」と指摘。斎藤博之土木建築局長は、第三者委の報告書について「公正中立な立場で十分調査され、妥当と考える」と反論した。

 整備計画の変更同意案に盛り込まれた広島高速5号と2号の連結について、下森氏は「5号の費用対効果を確保するため、再び出してきたのではないかとの疑問も生じる」と指摘した。湯崎知事は「初期投資額の削減を図るために先送りした後、環境の変化を受けて再検討を進めていた中で、今回の事案が生じた」と述べ、関連性を否定した。(村田拓也、木原由維)

 <クリック>二葉山トンネルの事業費増額問題 広島市東区のJR広島駅北口と広島高速1号温品ジャンクション(JCT)を結ぶ広島高速5号のうち、二葉山トンネル(1・8キロ)の工事契約で発覚した。トンネル西側の1・4キロを掘る工事を巡り、広島高速道路公社(東区)と受注した共同企業体(JV)が2016年5月、一部の工事費を意図的に除いて契約していた。公社の第三者委員会はことし3月、事業費の上限とJVの受注希望額に開きがあったため、公社が契約後の増額をJVに持ち掛け、契約にこぎ着けたと指摘した。

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