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「可決」のはずが1票差否決に 市議会事務局が数え間違い 付帯決議案がフイに 広島市議会

2020/1/26 14:13

 広島市議会(定数54)が13日に起立採決した二葉山トンネルの事業費を増額する問題での付帯決議案は、通常あり得ない事務局の数え間違いによって、市議会の意思とは逆に賛成少数で否決した。市議はその場で異議を申し立てず、採決のやり直しも規則上、できなかった。広島高速道路公社に再発防止策を徹底するよう市に対して求める決議を示せないままとなった。

 付帯決議案は、最大会派の自民党市民クラブ(14人)と公明党(8人)、市民連合(5人)の3会派が共同で提出。公社の組織体制の改善などを設立者の市に求める内容だった。

 議長を除く53人で採決し、3会派の26人と広島創生クラブの1人で過半数となる計27人が起立した。ただ、自民党市民クラブの1人は、議長の「賛成の議員の起立を求めます」との掛け声から約1分後、周囲の他会派の市議に促されて立ち上がった。重元昭則議会事務局長が起立者を数え、山田春男議長に伝えた。

 重元事務局長は「数えた時点では26人だったが、後で映像を確認すると最終的には(27人)立たれていた。深く反省し、二度とこのような混乱がないように努める」と釈明した。賛否が競る場合は、記名投票を議長に進言するなどの再発防止策をとるとした。

 市議会会議規則では、起立採決で議長が結果を宣告した際、その場で出席議員5人以上が異議を申し立てれば、投票によって再度採決できる。定例会を閉会すると、採決した議案は再審議ができないという。

 起立が遅れた議員は「書きものをしていて少し遅れたが、起立はした」と話す。一方、決議案に反対した会派から「緊張感のないまま採決に臨んだ議員の側に問題がある」との声も挙がった。

 地方議会に詳しい環太平洋大の林紀行准教授(政治学)は「議員一人一人の議決結果は重い。賛成反対が一目で分かり、公表するシステムの構築などを検討するべきだ」と指摘している。(永山啓一)

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