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工事契約の真相は 「二葉山」増額案、広島県・市両議会可決
広島高速5号二葉山トンネル(広島市東区)の事業費が大幅に膨らむ問題は16日、事業主体の広島高速道路公社(東区)に出資する広島県と広島市の両議会で増額のための議案が可決される節目を迎えた。両議会の審議でも、問題の根幹である工事契約の真相は不明なままに終わった。県、市の両トップは謝罪したが、費用対効果を巡る疑惑も浮上するなど、説明が待たれる課題は多い。審議で何が分かり、どんな疑問が残されたのかを整理した。
■工事契約の真相
問題の根幹は、トンネル西側の1・4キロをシールド工法という特殊な方法で掘る工事を巡る、公社と受注した共同企業体(JV)の契約だ。JVは3回目の見積書で事業費をいきなり約100億円減らし、公社と2016年5月に199億9999万800円で契約した。両議会では「増額ありきで契約したのではないか」との指摘が噴出した。
これに対し、県と市は一貫して「公社は200億円で工事ができると信じていた」「業者との増額の合意はなかった」などと訴えた。根拠としたのはもっぱら、公社が設置した第三者委員会がことし3月にまとめた調査報告書だった。
その報告書は増額の合意について「なかったと解さざるを得ない」という表現を用いている。3月の公表時、二国則昭委員長は「録音データや文書などの証拠がなかった」と報道陣に明かすなど「合意はない」と断定はしていない。増額案に反対した県議の一人は、県と市の説明について「真相を解明しなくても済むよう、報告書を都合良く解釈している」と批判する。
■県と市の責任
昨年10月に問題が発覚して以降、湯崎英彦知事と松井一実市長は県と市の責任について「工事契約は公社の責任」などとかわしてきた。ただ、湯崎知事は今月9日の県議会一般質問で「県民の信頼を損なう事態を招き、深くおわびする」と初めて陳謝した。
背景には「公社の設置者である県と市がまず、正面から非を認めるべきだ」(ベテラン県議)という、議会側のプレッシャーがあった。ある県幹部は「トップが頭を下げないと切り抜けられなかったかもしれない」と振り返る。松井市長も13日、市議会閉会後に「市民の信頼を損なう事態を招き、申し訳ない」とした。
湯崎知事は16日、県の調査は「すでに終えた」として、追加調査をしない考えをあらためて示した。東区牛田東1丁目町内会の竹村文昭会長(77)は「真相が不明なままでは県、市の真の責任は分からない。解明に乗り出すことが今こそ、求められている」と訴える。
■事業の費用対効果
公共事業で重視される費用対効果を巡り、二葉山トンネルを含む高速5号で新たな疑惑が判明した。5号の費用対効果は、16年12月に公社と市がはじいた「1・01」。県は12日の県議会建設委員会で、これに増額分の87億2千万円を加味した場合、投資に見合う最低ラインとされる「1・0」を下回った可能性が「非常に高い」と明かした。
16年12月の計算では、移動時間の短縮などの便益が1292億円、費用は1274億円だった。いずれも試算時の金の価値などを反映するため「過去との単純比較はできない」(公社)が、公社内にも県の説明に同調する意見がある。
16日の本会議で、増額議案に反対した会派は「取りあえず約200億円で契約し、事業の正当性を装ったのではないか」と疑問を投げ掛けた。公社と県、市はまた一つ、丁寧な説明が求められる課題を背負った。(樋口浩二)
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