地域ニュース
理事長、会見出席せず 3代連続返納の異常事態
広島高速5号二葉山トンネルの整備で事業費が大きく膨らんだ問題で、広島高速道路公社は26日、石岡輝久理事長の辞任と前理事長を含む月額報酬の自主返納という形で幕引きを図った。公社は2012年にも、広島高速1号福木トンネルで想定を超える地盤沈下が発生し、当時の理事長が報酬を返している。理事長が3代続けて自主返納に追い込まれる異常事態にもかかわらず、記者会見に石岡理事長の姿はなかった。
「自らの言葉で皆さんの前で話す選択肢もあると思うが、今回の発表はあくまで結果報告。少し色合いが違う」。記者会見で石岡理事長が不在の理由を問われた公社の森永勝総務部長は言葉を選んだ。石岡理事長が会見に出るシナリオも探ったと明かしたが、その場合も冒頭で謝罪した後に退席する想定だった。
公社では「信頼を大きく損ねた」として、トップが報酬を自主的に返すケースが続く。12年には、高速1号福木トンネルで想定を超える地盤沈下が発生した責任を取り、市出身の高山茂理事長(当時)が報酬の10%を3カ月分、返納した。
今回は、二葉山トンネルの契約を巡る社会的混乱を招いた幹部に「減給相当の責任がある」と判断した。現在の正副理事長に加えて、契約が交わされた16年時点のツートップにも、さかのぼって返納を求める異例の措置をとった。森永部長は「そうした事態が続くことが通常だと思ってはいない」と肩を落とした。
なぜ公社と受注した共同企業体(JV)は「認識の違い」がありながら契約を結んだのか。その真相は十分には解明できていない。森永部長はしかし、「これ以上のもの(真相)があるかないか、と言えばない。私どもの知り得ないものはない」と断言した。
建設予定ルートの真上にある地区の住民が工事の差し止めを公社に求めた裁判で、原告団の事務局長を担った竹村文昭さん(77)は今回の対応に憤った。「まるでトカゲの尻尾切り。真相解明もできないまま理事長に責任を押しつけ、次に進みたいという県と市の思惑が透けて見える」
湯崎英彦知事と松井一実市長は26日、「公社が再発防止策や業務体制の強化を講じるよう、県市で連携して取り組む」とのコメントを出した。公社によると、大幅増額を反映させた整備計画の変更は19日、国への申請を済ませた。県、市、公社の3者は後味の悪さを抱えたまま、3年後の開通へ向けて歩を進める。(加納亜弥)
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