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【人ビト令和】料理人・保家彩良さん(27)=大竹市 練習重ね和食コン1位【動画】

2020/1/31

「基本ができてこその独創」。池田さん(奥)のアドバイスを受け、盛り付ける保家さん

 ▽師に学ぶ老舗のだし

 「だし」って奥深い。そう実感する。なぜなら師匠の池田将訓(まさのり)さん(42)に任されてこの1年、老舗和食店の料理のベースを作り続けているからだ。コンブとかつお節の調和を決めるのは自らの加減一つ。関門は師匠の味見だ。「うん、おいしい」。最近、一発OKが増えてきて、自信も芽生えている。

 ことしで創業68年を迎える大竹市西栄の「日本料理 魚池」。高校卒業後の2011年、調理歴がないまま飛び込んだ。3代目で同店代表の池田さんの手ほどきを受けている。ダイコンのかつらむきに始まり、がむしゃらに基本を学んだ。

 池田さんの目にはこう映った。「学生時代にバレーボールで培ったガッツが人一倍ある」。調理師免許はもちろん、フグ調理の免許も取った。まだ刺し身やすしは任されていないが、揚げ物、焼き物とフル回転している。

 地道な積み重ねが昨秋、花開いた。県などが実施する「ひろしま和食料理人コンクール」で1位に輝いた。3度目の挑戦だった。若手対象だが、最終審査の8人は大半が30代。有名店やホテルの料理人も名を連ねた。「和食は年季がものをいう」(池田さん)が、27歳で制した。包丁の使い方や所作、衛生面が評価されたという。「うれしいの前に、まさかという思いが強すぎて」とほほ笑む。

 ワタリガニ、カキ、車エビ…。魚介が主役の椀物(わんもの)、揚げ物、先付けの3品で挑んだ。

 仕事を終えた後、池田さんと居残りで練習しアイデアを磨いた。カニは先付けに。柿との白あえ、カブとのレモン酢ジュレ、トマトとの焼き物の3種を仕上げた。カキは「しんじょ」にして椀物。車エビはレモンの衣で揚げ、ブドウの揚げ物を添えた。くりぬいたレモンや柿に盛り付けるなど色彩もアピールした。

 だしには悔しい思い出があった。18年の最終審査で「おいしくない」と指摘された。発憤すると師から、「基本を自分のものにしてみなさい」との言葉をかけられた。だしを任されて1年余り。池田さんは「魚池のだしが作れてきている」と喜ぶ。

 同じコンクールで池田さん自身が第1回に出場し、最上位である優秀者3人の1人に選ばれた縁がある。「献立作りと向き合う良い機会になる」と出場を勧め、まな弟子が最高の結果で応えた。

 養殖ハマチやキクイモなど大竹ならではの食材を生かそうと奮闘する師匠。その姿に「入店時は『自分の店を持ちたい』と思っていた。必要とされている今、付いていこうとも思う」。

 カウンター席から見える壁に、2人のコンクールの賞状が並ぶ。師弟の努力の証しに見守られ、小柄な体で調理場を駆け回る。(白石誠)


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  • コンクールの1位作品。レモンの衣を使った車エビの揚げ物やカキのしんじょの吸い物、ワタリガニを生かした先付けが美しく並ぶ

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