地域ニュース

【川崎契刑事部長と岩上譲治首席監察官の冒頭発言要旨】

2020/2/14 21:58

■川崎刑事部長

 盗難事件の概要について。広島中央署では生前贈与を語って現金をだまし取る手口の広域詐欺事件に関し2017年2月1日に被疑者らを逮捕するとともに、その関係先から現金9053万6円を押収し、同署会計課執務室に設置された据え置き金庫で証拠物件として保管していた。その後、捜査員が同年2月3日および同年3月15日に証拠現金の一部を出納しており、現金の存在を確認していたが、同年5月8日になって金庫内から証拠現金の一部である8572万円が無くなっていることが発覚した。

 次に捜査概要について。広島県警では本事件の発生を受けて直ちに刑事部長を長とする捜査本部を立ち上げ、早期検挙に向け捜査を開始し、これまで延べ約5万5千人の捜査員を導入して捜査を継続してきた。犯行現場の状況から、塀に囲まれた24時間警戒態勢の警察署へ侵入し、誰にも気付かれることなく会計課の金庫内から証拠現金だけを盗んでいること、防犯カメラの映像では不審な人物の出入りは確認できないこと、会計課の扉や窓には侵入形跡が無く、同課の鍵はきちんと保管管理されていたことなどが判明し内部職員による犯行が疑われる状況であった。

 しかしながら、予断を持たずあらゆる可能性を視野に入れ、異動の前後を含めた全警察署員やおよび現金を押収するに至った広域詐欺事件に関与した本部捜査員はもとより、署に出入りした業者など関係者を広く捜査対象として事情聴取するほか、金融機関等への照会や通信記録の押収などの捜査を尽くし収集した証拠の解析などを逐次行ってきた。

 具体的には約600人の捜査対象者に対する徹底捜査、約6万4千件におよぶ各種照会や回答に基づく追跡捜査や裏付け捜査などを行い、最終的に本年2月、被疑者以外の犯人性や共犯性の嫌疑を払拭(ふっしょく)できた。それに合わせ、金銭収集状況や動機、行動履歴などの状況証拠を積み重ね、矛盾なく合理的な説明ができるまで捜査を尽くし、このたび被疑者を特定するに至った。県民のみなさまには真相究明に長時間を要してしまい、その間大変な心配をおかけしてまことに遺憾に思う。今後日々発生する事件に関してひとつずつ確実に解決することで県民の皆さまの信頼回復につとめて参る。

 ■岩上首席監察官

 被疑者は本件犯行後、17年9月に死亡退職していて処分の対象にならない。次に、本件については19年4月に証拠品の管理が不適切であったということで、複数の関係職員を処分している。今回は元警察職員を被疑者と特定し、この職員を監督していた関係職員の責任を問う処分をしたもの。当時広島中央署副署長だった、警視男性(52)は16年3月1日〜17年3月9日まで約1年にわたり副署長だった。副署長の大事な仕事として職員の身上を把握することがあるが、その実施責任者だった。職員の身上を把握できず、犯行の背景にあった過度なギャンブルや借財の実態把握ができなかった。犯行発生は、副署長の異動後だが、1年間、当該職員による指導監督が徹底されておらず犯行を未然に防げなかったとし、このたびの事案の重大性からして本部長注意が相当と判断した。

 当時副署長とともに在職していた署長、刑事官、生活安全課長も当時指導監督をする責任にあったがいずれもすでに退職しているので処分の対象にならない。

 犯行当時監督する立場にあった署長、副署長、刑事官、生活安全課長は本部長からの口頭厳重注意にしている。署長、警視正男性(60)、副署長だった警視男性(54)、刑事官だった警視男性(59)、生活安全課長だった警部男性(48)。副署長は18年3月10日、ほかは3月21日から広島中央署で勤務することになった。今回の犯行は4人の在任中の犯行だが、着任後、長いもので十数日、短いもので数日後。たとえ直近の上司でも、短い期間では指導監督には限界があると判断。ただし発生した重大性を踏まえて将来このような同種事案が発生しないよう監督責任を果たすように、本部長からの口頭厳重注意処分にした。本件は警察施設で証拠物件が、多額の現金が盗まれたという事案で、犯人が本県警察職員であったことを重く受け止めている。事件発生後、認知して以来さまざまな再発防止策を講じてきた。これらが実行されるよう取り組んでいく。犯行の背景に過度なギャンブルや借財の実態があった背景を重く受け止め、実効ある身上把握に努め、職員に関する指導監督を徹底し再発防止を図っていく。

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