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10年後への手紙 今も読めぬ父 「結婚して家庭」途中で封印 廿日市女子高生殺害あす9年(2013年10月04日掲載)

2020/3/2 20:07
聡美さんに宛てられた同級生の寄せ書きを読み返す忠さん

聡美さんに宛てられた同級生の寄せ書きを読み返す忠さん

 広島県廿日市市上平良の廿日市高2年北口聡美さん=当時(17)=が自宅で殺害された事件は5日、未解決のまま発生から9年を迎える。聡美さんは亡くなる1年前、「10年後の自分」に宛てた手紙をつづっていた。父忠さん(56)は事件後、多くの遺品を確認したが、この手紙だけは読むことができない。聡美さんが読むはずだった今年、遺族の心の整理は、今もつかない。

 忠さんは事件の数カ月後、警察から遺品を受け取った。友人からの手紙などに交じり、A4判の紙が1枚あった。高校の課題で書いたものらしい。「サラリーマンと結婚して普通の家庭を築く」。きちょうめんな文面が目に入った。「きっと親に見せるはずのなかった手紙」。読み込むのをためらい、そのまま束の中に戻した。

 手紙は、今も聡美さんの部屋の片隅に眠る。「聡美は兼業農家の親の苦労を感じていたのだろうか」と想像する。「当時思い描いた夢と今の姿を比べて、ほほ笑みながら読み返したに違いない。それができないのが悔しい」とうつむく。

 忠さんは最近、同級生が3年生に進級する際に届けてくれたクラスの文集を開いた。「大人になっても忘れないよ」。聡美さんに宛てた約40人分の寄せ書きが4ページにわたって並ぶ。

 今年のお盆に、親友が自宅を訪ねてくれた。「事件のことは互いに話せなかった。犯人が捕まらない限り、彼女たちの苦しみも何十年と続くのだろうか」との思いがこみ上げる。

 忠さんはブログを通して、事件に関する情報提供の呼び掛けを続ける。「彼女たちの思いも代弁しているつもり。犯人をどこまでも追いつめる」(村上和生) #廿日市女子高生刺殺事件


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