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静寂のライブハウス 公演中止続き「死活問題」

2020/3/12
学生の卒業ライブが中止となり、会場を片付ける「ライブジューク」の新田代表(8日)

学生の卒業ライブが中止となり、会場を片付ける「ライブジューク」の新田代表(8日)

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、広島市内のライブハウスで公演の中止や延期が相次いでいる。重症化リスクの低い若者から感染が広がっている可能性があるとし、政府の専門家会議がライブハウスを「避けるべき場所」の一つとして挙げたからだ。安倍晋三首相が10日、イベント開催自粛の延長を要請したこともあり、店側には「このままでは死活問題」と嘆き節が漏れる。

 「今月は予約の半分近くがキャンセルになった」。「ライブジューク」(中区中町)代表の新田佳則さん(64)がため息をついた。予約が書き込まれたカレンダーに「×」が並ぶ。がらんとした店内は今月に入って開店休業状態が続く。

 7日は大学生バンドによる80人規模の卒業ライブが予約されていたが、直前で中止の連絡が入った。「こんな事態だから仕方ない。キャンセル料を取るのもはばかられるし」と新田さん。1カ月間の収入は「3分の1ほどに落ち込みそう」と嘆いた。

 政府の専門家会議は2日、「軽症者が気付かないうちに感染拡大に重要な役割を果たしてしまっている」との見解を公表。10〜30代に、人が集まる風通しが悪い場所に行かないよう呼び掛けた。

 避けるべき場所と名指しされたのはライブハウスのほか、カラオケボックスや立食パーティー、スポーツジムなどだ。大阪市のライブハウスでは、スタッフに加え、他府県から訪れた人たちの感染が明らかになった。

 「換気しろと言われても窓がない。スタッフにはマスクとアルコール消毒を徹底させているが…」。中区の流川・薬研堀地区のライブハウス店長(48)は対策に頭を悩ませる。

 7日には広島県内で初の感染例が判明した。終息が見通せない中、同地区の別のライブハウス経営者は「ライブ業界全体のイメージが悪くなった。今後、風評被害が続くのではないか」と懸念する。(和多正憲) 

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