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柱が島木が歴史の証人 厳島神社の大鳥居修繕

2020/3/31 22:37
朱色の塗装が剥がされ、白木になった大鳥居の「貫」

朱色の塗装が剥がされ、白木になった大鳥居の「貫」

 約70年ぶりの大規模な修繕工事が進む厳島神社の大鳥居。今回明らかになったのは、柱のひび割れや腐朽などの老朽化に加えた、シロアリ被害の深刻さだ。「調べれば調べるほどひどい部分が見つかる」と担当者。国の重要文化財で、宮島のシンボルでもある鳥居の姿を後世に残すため、懸命な作業が続く。

 「底知れぬ穴のよう」と修繕作業を担う担当者が示す。東側の主柱には、直径40〜50センチ、深さ約4メートルの空洞があった。シロアリなどによる被害だ。現在の主柱はクスノキで造られ、1875年に再建された。もともと内部にシロアリ被害や空洞があった木が使われ、被害が鳥居全体に徐々に広がったとみられている。

 西の主柱も、シロアリ被害が進み、工事では直径1・9メートルのうち4分の1ほどを剥ぎ取った部分もある。今後は、こうした朽ちた部分に、新たな部材をはめ込み、一部は金属バンドで補強するなどして元の姿に戻す方針だ。

 屋根では、檜皮(ひわだ)ぶきをふき替えるための下準備が進む。屋根の真下の「島木」には、たくさんの小石が鳥居全体を安定させるために詰められ、当初、その石一つ一つに経文が書かれているとされた。しかし今回の調査で経は書かれていないことが判明したという。

 原島誠技師は、文化財の修繕工事について「一つ一つの部材が歴史。新しい木にすべて替えるのではなくできるだけ元の古い木材を使いながら修復するため、非常に難しい」とする。「元の朱色の姿になるまで時間がかかるがご理解いただきたい」としている。(文・東海右佐衛門直柄、写真・高橋洋史)


この記事の写真

  • 修繕工事中の大鳥居の前で説明を聞く子どもたち
  • シロアリ被害などで縦に貫く穴ができた主柱
  • 修繕工事が進む大鳥居の屋根
  • シロアリで朽ちた大鳥居の一部
  • 調査のため一部が切り取られた主柱
  • 取り外された扁額を見る子どもたち

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

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