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改正健康増進法、4月1日全面施行 完全禁煙や喫煙室、店舗浸透せず未対応も

2020/4/1
個室を改装して設けた居酒屋の喫煙室(広島市中区)

個室を改装して設けた居酒屋の喫煙室(広島市中区)

 受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が1日に全面施行され、自宅やホテルの客室などを除く全ての施設で原則、屋内禁煙になった。広島市内の飲食店やパチンコ店も完全禁煙に切り替えたり、喫煙室を設けたりして対応する。ただ未対応の店舗もあり、罰則規定もある制度の浸透は十分とは言えない。新型コロナウイルスの感染拡大による売り上げ減で、喫煙室の設置が困難な店舗が続出する懸念も浮上している。

 中区の2カ所で喫茶店を営む「てらにし珈琲(コーヒー)」は宝町の本店を1978年に開業して以来、初めて禁煙にする。テーブル6卓が置かれ、カウンターを含めて計23席の本店。客席面積は100平方メートル以下のため、経過措置として市に届け出れば今まで通り喫煙は可能だが、20歳未満は入店できなくなる。寺西隆幸社長(67)は「家族連れが利用できなくなるのは避けたい」と決断した。

 一方、屋外喫煙は配慮義務にとどまるため店舗駐車場に灰皿を設ける。常連客で愛煙家の磯見裕介さん(38)=広島県府中町=は「寂しいが、大好きなコーヒーは飲みたい」と理解を示す。

 喫煙室を整備する動きも広がる。居酒屋「えびすの宴」(中区)は換気扇と外気吸入口を新調し、店内の個室を改装した。松前直樹店長(44)は「団体客向けの12席分のスペースがなくなるが、一定数いる喫煙者に配慮した」。広島、山口両県を中心にパチンコ店22店舗を展開するプローバ(安佐南区)も2、3月、未整備だった10店舗に喫煙室を導入した。

 課題もある。改正法では、喫煙室を設けるなどした飲食店などは「喫煙専用室あり」といった標識を入り口に掲げるよう義務付ける。違反者は罰則の対象になるが、標識のない店は目立つ。広島県がん対策課の豊田義政課長は「対象施設が法令を順守するよう、施行後もポスターやチラシ配布などで周知する」と話す。

 新型コロナウイルスの影響が店側の対応を遅らせる可能性もある。県内約800の飲食店などが加盟する県社交飲食生活衛生同業組合(中区)は「売り上げ急減に伴う融資相談が今、圧倒的に多い。改正法の対応に資金を回せなくなった店も少なくない」と明かす。(山成耕太)


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