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防府のマスク製造会社、デマに困惑 全世帯2枚配布→ネット「安倍友優遇」

2020/4/4
県から受注した子ども用マスクの製造を急ピッチで進める中村被服の社員たち

県から受注した子ども用マスクの製造を急ピッチで進める中村被服の社員たち

 安倍晋三首相が全国約5千万世帯に布マスクを2枚ずつ配布すると表明したことを巡り、首相の地元山口県の企業に受注させるのではないかとの風評がインターネット上に飛び交っている。国とは別に県から布マスクの大量受注を受けたことで、名指しで中傷を受ける防府市の中村被服は「国から注文などなくデマが広がっている」と困惑する。

 同社は幼稚園や保育園の制服メーカー。抗菌仕様の給食服の生地を転用したマスクを製造している。県は3月23日、県内の幼稚園や保育施設などへ布マスク12万枚を配ることを表明。1人あたり2枚が行き渡るよう同社に製造を委託した。

 安倍首相は4月1日、各世帯への布マスク配布を表明。直後からネット上に同社を名指しして「桜を見る会の次のお友達はマスク製造会社」「この非常時でも安倍友優遇」「しょぼい布マスクすら地元利権」などと批判が拡散した。

 中村顕社長(53)が異変に気付いたのは2日昼。社員から「社長、安倍首相の友達だと大変なことになってます」と知らされた。「まったく個人的な付き合いはないのに。なぜ、こんなことに」と中村社長。県のマスク製造を始めた直後に経済産業省からマスクの製造について問い合わせがあったが、弟の大二郎専務(51)は「なんでそんなことを聞くのか尋ねたが『答えられない』と教えてもらえなかった。国から作ってくれとも言われていない」と首をかしげる。

 その後も「なぜ、あなたの会社が受注するのか」との電話が寄せられ、ホームページにアクセスが殺到。社内のメールサーバーもつながりにくい状態に陥った。中村社長は「マスク不足で困っている子どものために県の仕事を受けたのに。今は子どもたちのために頑張って作るだけ」と話している。(原未緒) 

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