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第67回中国文化賞 尾道舞台の三部作など監督 大林宣彦氏(72)=東京都世田谷区(2010年11月3日掲載)

2020/4/11 10:31
大林宣彦氏

大林宣彦氏

 中国地方の学術・文化・地域貢献の分野で優れた功績を挙げた人たちをたたえる「第67回中国文化賞」(中国新聞社主催)の受賞者が決まった。広島県ゆかりの5人と、山口、島根県のそれぞれ1人の計7人。これまでの歩みと横顔を紹介する。

 ▽古里の姿 ありのままに 大林さん

 「尾道三部作を愛してくれた人たちが大人世代になって僕にご褒美をくれる。心からありがたい」と受賞を喜ぶ。
 山陽線で蒸気機関車が通るのを眺めて育った。「子ども心にときめいてね。でもいざ来ると、ごう音で恐ろしいんだ。過ぎた後は寂しくってね」。物語構築の感性は、尾道の風土にはぐくまれた。自宅にあった活動写真機に夢中になり、「これで生きていこう」と将来を決めた。

 18歳で上京し、8ミリカメラを空に放り投げて撮るなど斬新な映像で注目された。草創期から携わったテレビCMは作品数約2千本に上る。映画づくりの元手となり、「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」の尾道三部作を生み出した。反響は大きく、寂れかけた故郷にロケ地巡りの観光客を全国から呼び込んだ。尾道を舞台にした作品は計15本を数える。

 ひび割れた瓦屋根、崩れ落ちた土塀…写し取ったのは「尾道のしわ」。「なぜ汚いところを」と地元の反発もあったが、開発競争で「美容整形」されゆく町の表情を見過ごせなかった。「ふるさとの文化をそのまま残し、伝えなければ」と全国各地で「ふるさと映画」づくりを続ける。

 後進の指導にも熱を注ぐ。大学で若者と対話を重ねるほか、毎年開かれる「星の降る里芦別映画学校」(北海道・芦別)や「ふるさと風の映画学校」(大分)では校長も。「映画には平和を実現させる力がある。その力を、次の世代に託したい」(上杉智己)

 おおばやし・のぶひこ 尾道市生まれ▽1956年、尾道北高卒▽翌年、成城大入学(中退)▽テレビCMの製作などを経て77年「HOUSE/ハウス」で劇場用映画に進出。82年、尾道三部作の1作目「転校生」公開▽2003年、倉敷芸術科学大客員教授▽06年、尚美学園大大学院教授▽04年、紫綬褒章▽09年、旭日小綬章

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