地域ニュース

「街の本屋さん」相次ぎ閉店、出版不況・ネット通販の普及… 広島市の本通り商店街一帯

2020/4/18 21:00
5月10日を最後に閉店する広文館金座街本店

5月10日を最後に閉店する広文館金座街本店

 広島市中心部、本通り商店街一帯で「街の本屋さん」が相次いで姿を消している。約20年間に5店が次々と閉店。広文館金座街本店も5月10日を最後に店を閉じ、残るのは1店だけになる。「ふらっと立ち寄ったり、数店はしごしたり、思いがけない本と出合う楽しみがあった」と市民から嘆きの声が漏れる。

 約20年前、一帯は半径約150メートルに少なくとも6店が集まり、文化拠点の役割を担っていた。職場が近い広島市西区の会社員男性(58)は「その日の気分で昼休み中に出歩く書店を変えて楽しんでいた」と振り返る。しかし、大型書店の進出や長引く出版不況、インターネット通販の普及などで、各書店の経営環境は年々厳しさを増した。

 2001年に広文館本通店が金座街本店の増床に合わせ閉店。翌02年には丸善広島本通店が店を閉じた。03年には1887(明治20)年創業の広島積善館、2011年には1926(大正15)年創業の金正堂と、老舗が相次いで姿を消した。昨年は、えびす通り商店街で約70年続いたフタバ図書八丁堀店が撤退。5月には開業105年の広文館金座街本店も閉店する。

 一帯で営業するのは本通り商店街の西端近くにあるフタバ図書ギガ本通店だけになる。週1回は本を求めて街に出るという中区の主婦(71)は「書店で店員さんと顔なじみになって本を紹介してもらうことも多かった。あと1店だけになるなんて寂しい」と話す。

 「街の書店にはふらりと入れる良さがある」と南々社の西元俊典社長(65)。「目に留まる本から社会の動きや思わぬ世界を知ることもできる」と話す。季刊誌「グランデひろしま」の平木久恵編集長(72)も「特徴の異なる店が複数あればこそ、出合える本もさまざまだった。街の知性が失われるよう」と残念がっていた。(鈴中直美、久行大輝)

 関連記事「広文館金座街本店に幕 開業105年、商店街から惜しむ声」

 関連記事「天風録・今こそ旅しよう」

 関連記事「書店ならではの保育園 今井書店、松江に2月開園」


この記事の写真

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

同じ日のニュースの記事
一覧