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医療機関もマスク不足 1枚を数日間使用/フェースシールド手作り

2020/4/20
梶川病院のスタッフ。奥平さん(右)は、前線の医療者にサージカルマスクを回すため布マスクを着けている(広島市西区)

梶川病院のスタッフ。奥平さん(右)は、前線の医療者にサージカルマスクを回すため布マスクを着けている(広島市西区)

 新型コロナウイルスの感染が広がる中、医療用のサージカルマスクなどの在庫不足が際立ってきた。広島市の医療機関でも、1枚のマスクを数日間使ったり、顔全体を覆うフェースシールドを手作りしたりして、急場をしのぐ状況だ。

 西区の梶川病院では、看護部長の奥平敦子さん(65)が手作りの布マスクを着用していた。「防護力が高いサージカルマスクは患者にじかに接するスタッフに優先的に使ってもらいたい」。前線に立つ医師や看護師も従来のように、患者に触れる一つの処置ごとにマスクを交換することはできなくなった。

 全国的な不足のあおりで、今月はマスクの納入がない。枯渇した3月は、つてをたどって古いものを集めて乗り越えたが、節約してもあと1カ月持つかどうか分からない。奥平さんは「看護師だって怖い。万全の体制で患者さんを迎えたいのに」と打ち明ける。

 新型コロナウイルスの感染が疑われる症状の患者も数人来院した。そうした患者の診療にはゴーグルやガウンを着けて当たる。しかし、これらの防御具のセットも残りわずか。ガウンの代わりに雨かっぱを購入するなどして備えている。

 東区の診療所は、医師や看護師が1枚のマスクを2日連続で使っている。これまでは1人1枚以上使っていたが、そのペースでは半月ほどで在庫が尽きてしまうからだ。高熱や味覚障害を訴える患者は、ラミネートフィルムで自作したフェースシールドも使って診てきた。

 院長は「医療現場を守る資材が足りず、医療者の感染が次々と起きても不思議ではない」と危機感を募らせる。

 広島県薬務課によると、県内の病院や診療所で1カ月に必要なマスクは約200万枚。県は3月上旬に36万枚を県内の医師会を通じて約2300施設に送り、備蓄はほぼ底を突いた。現在は国から届いたり、企業から寄付されたりしたマスクを、新型コロナウイルス感染症の入院や検査を受け持つ医療機関に優先的に配っている。山口まみ課長は「一般の医療機関には十分な量を供給できていない」と話す。

 県は、引き続き寄付を呼び掛けるとともに、県内の製造業者に、マスクやフェースシールドなどの製造を個別に働き掛ける。広島市も20日、未使用のマスクや消毒液、ガウンなどの寄付の受け付けを始めた。市医療政策課へ連絡後に送ってもらい、集まった資材は医療現場に届ける。(衣川圭) 

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