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【新型コロナ みんなで乗り切る】入院家族とビデオ通話 離れた地から最期のお別れ

2020/4/24 21:11

ビデオ通話に使ったタブレット端末を手に父の思い出を語る宮本さん(右)。隣は遺影を持つ喜代香さん(宮本さん提供)

 ▽面会制限の体験談届く

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、各地の医療機関では入院患者との面会制限が続く。県をまたぐ移動自粛も求められる中、大切な家族の最期をみとれない人がいるかもしれない。「こんな方法があると伝えたい」。今月11日、86歳の父を亡くした広島市安佐南区の保育士宮本静子さん(48)からメールが編集局に届いた。宮本さんは無料通信アプリLINE(ライン)のビデオ通話を活用し、わが子や遠く離れた姉と一緒に父を見送った。

 宮本さんの父、朝枝思善さんは肺炎を患い、2月初旬から三次市内の病院に入院。その後、自宅のある北広島町内に転院した。感染防止対策のため面会できる人数は徐々に制限され、今月に入ると母の喜代香さん(78)だけに。宮本さんと子どもは病室に行けなくなった。山梨県で暮らす宮本さんの姉は新幹線に乗るのがはばかられ、泣きながら帰省を我慢したという。

 そこで宮本さんが思い付いたのがビデオ通話だった。父は、母が持ち込んだタブレット端末の画面に映る娘や孫たちとの会話を楽しみ、穏やかに過ごせていたという。宮本さんは「みんなの声に包まれ、そばにいるような気持ちになってくれたのでは」と振り返る。

 11日夕。危篤の知らせを受け、来院を許可された宮本さんは、母と病室に駆け付けた。タブレットとスマートフォンを使い、山梨の姉家族、病院駐車場の車内で待つ子どもたちとビデオ通話をつないだ。「お父さん、ありがとう」「おじいちゃん、ありがとう」。息を引き取る瞬間まで、みんなの感謝の言葉が病室に響いた。

 生前、寺の住職を務めていた宮本さんの父。地域の人も参列するはずだった葬儀は小規模となり、山梨の姉はビデオ通話で参加せざるを得なかった。それでも宮本さんは満足している。「映像を通じて、それぞれのお別れがちゃんとできた。しんどいこともあったけれど、家族が一つになれた」(赤江裕紀)


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