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日立を「認定取り消し」 技能実習で法違反、監督機関報告

2020/4/26
出入国在留管理庁が開示した日立の法令違反に関する事案概要書

出入国在留管理庁が開示した日立の法令違反に関する事案概要書

 日立製作所(東京)が笠戸事業所(下松市)で技能実習適正化法に違反していた問題で、監督機関の外国人技能実習機構(東京)が昨年6月までに、日立を最も重い処分の「技能実習計画の認定取り消し」にするよう所管省庁に報告していたことが25日、中国新聞の情報公開請求などで分かった。

 ▽実際は改善命令止まり

 所管省庁の出入国在留管理庁と厚生労働省はその報告を受けた後の昨年9月、認定取り消しより軽い処分の改善命令を出した。入管庁は「日立への忖度(そんたく)はない」と説明してきたが、その説明が揺らぐ形になった。

 入管庁が中国新聞に開示した文書名は「実習実施者に対する技能実習計画の認定取消しに係る事案概要書」。外国人技能実習機構が日立への立ち入り検査の結果として作り、入管庁と厚労省に提出した。

 計4枚の文書はほぼ黒塗りにされ、詳細は開示されなかった。入管庁によると、同機構の処分への意見として日立を認定取り消しにすることが相当だと記載されているという。

 2017年11月に施行された技能実習適正化法では、同機構が不正を調べて入管庁と厚労省へ事案概要書を提出。両省庁はその内容を基に、処分を出す仕組みになっている。

 入管庁と厚労省はこの事案概要書を受け取った後、日立からも弁明書の提出を受け、昨年9月に改善命令を出した。重い処分を求めた同機構側と、軽い処分を出した省庁の方針が異なる格好になった。

 日立の認定が取り消されていれば、実習生を5年間受け入れられなくなり、デメリットが大きかった。日立の会長は経団連会長を務めており、改善命令が出た際に専門家からは「政府が日立に忖度をした」と指摘する声が上がっていた。

 入管庁は「是正がなされているかどうかなどを踏まえ、日立は改善命令が妥当と判断した。忖度はない」。同機構は「個別事案なので答えを差し控える」としている。(河野揚)

 <クリック>日立製作所の技能実習適正化法違反 日立が笠戸事業所でフィリピン人約40人に対し、配電盤の組み立てなどを実習させる計画だったのに、実際は鉄道車両の窓枠取り付けなどの単純作業をさせていた。外国人技能実習機構などが2018年7月に検査を始めた後、日立はフィリピン人99人を解雇し、多くが帰国した。

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