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救急搬送、コロナ対策に力 広島市消防局、隊員や車内装備

2020/5/2 20:59
陽性患者の搬送に使う救急車。感染防止のため車内をビニールシートで覆っている

陽性患者の搬送に使う救急車。感染防止のため車内をビニールシートで覆っている

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、広島市消防局が患者の搬送を担う救急隊員の感染防止に細心の注意を払っている。感染の可能性がある場合はゴーグルや防止衣などでフル装備。救急車内は飛沫(ひまつ)感染を防ぐ対策を講じている。全国で隊員の感染が相次いでおり、態勢の強化に力を注ぐ。

 市消防局によると、市内で2月19日以降、感染の有無を調べる検査対象となった患者の搬送は4月末までに89件あった。うち数件は、感染が疑われるとして医療機関側からいったん受け入れを拒否された。最終的にはいずれも受け入れ先が決まり、検査結果は陰性だった。陽性と判明済みの患者の搬送も6件あった。

 同局は搬送要請を受けた際、発熱やせきなど呼吸器系の症状があるかどうかを確認。感染の疑いがあると判断すれば、隊員はウイルスの侵入を防ぐ高性能マスクやゴーグル、防止衣、手袋を装着して出動する。患者をストレッチャーに乗せて救急車に運び込んだ後はビニールシートで囲い、飛沫や直接の接触を防ぐ。

 陽性患者の搬送には、車内全体をビニールで覆った救急車を専用で使う。これまで3台で対応していたが、今月1日から全8消防署に1台ずつ配備した。

 搬送後はいずれのケースでも車内を消毒し、隊員はシャワーを浴びる。防止衣は検査結果が分かるまで袋に密封して保管し、陽性だった場合は廃棄する。

 全国では大阪、川崎市などで隊員の感染が発覚し、明石市では陽性患者の搬送時に濃厚接触して感染したとみられる隊員もいる。自宅や路上で倒れて病院に運ばれ、死亡後の検査で感染が分かったケースもあり、広島市消防局は心肺停止の状態の患者を運ぶときはフル装備で出動している。

 中消防署の救急隊の西田智副隊長(34)は「自分が感染してしまうのではという怖さはあるが、感染防止対策を念入りに万全の態勢で臨みたい」としている。(今井裕希) 

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