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広島駅が2025年春、大変身 新駅ビル2階に広電直結、利便性アップ

2020/5/4 4:59
2025年春に開業する新しい広島駅ビルのイメージ。路面電車が高架で2階部分に入り込む(広島市提供)

2025年春に開業する新しい広島駅ビルのイメージ。路面電車が高架で2階部分に入り込む(広島市提供)

 119万都市の陸の玄関口、JR広島駅(広島市南区)は2025年春、大きく姿を変える。新たな駅ビルにはホテルや商業施設が入り、2階部分には広島電鉄(中区)の路面電車が高架で乗り入れる。隣の広島東郵便局は、地上20階建てのオフィスビルに一新される。平成の幕開けとともに始まった駅周辺の再開発は、総仕上げの段階を迎える。

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 広電の路面電車が発着する広島駅南口の駅前広場。朝のラッシュの時間帯には、小走りで移動する会社員や学生の姿が目立つ。路面電車の発着場所と、駅舎2階の南北自由通路にあるJRの改札口が、150メートルほど離れているためだ。

 そんなおなじみの光景も25年春には見納めとなる。路面電車の新ルート「駅前大橋線」は高架で新しい駅ビルの2階部分に入り込み、JRの改札口と同じ高さで結ばれる。

 駅と都心を結ぶ現在のルートは、駅東側を大きく回り込むように走る。一般道路と並行しており、ラッシュ時には広場に入れない電車が数珠つなぎに並ぶ。駅前大橋線が完成すると、駅と紙屋町東は4分短い10分で結ばれる。定刻の運行もしやすくなるという。

 路面電車の高架化に伴って空きができる広場のスペースは、バス乗降場の拡大などに充てられる。JRで通学する東広島市の高校3年遠藤紗要さん(17)は「路面電車が2階に上がるなんて近代的。乗り継ぎがみんなに分かりやすくなるのはありがたい」と歓迎する。

 駅前大橋線と広場整備の総事業費は155億円。市によると負担の内訳は、国80億円、市61億円、広電14億円、JR西日本数千万円と見込まれている。

 JR西日本が約600億円をかけて現在地で建て替える新たな駅ビルも、同時期に完成する。地上20階、地下1階建て。延べ約11万1千平方メートルは、同社管内では大阪、京都駅に続く3番目の規模となる。商業施設やシネコン(複合映画館)を設けるほか、7〜20階ではホテルが開業する。

 ▽郵便局跡・エキキタ… 周辺にビル続々、再開発が大詰め

 広島駅周辺では、官民による再開発ビルや複合ビルが相次ぎ完成している。景気低迷を受けて停滞していた駅周辺の再生は、交通結節点としての機能向上を弾みに大詰めを迎えている。

 駅西側に広がる広島東郵便局の跡地。約4200平方メートルの敷地には22年、日本郵便(東京)が地上20階建てのビルを建てると表明している。駅に近く通いやすい立地を生かして、オフィス主体のビルに生まれ変わる。低層階は飲食や物販の店とするなど、人通りを招く仕掛けを盛り込む。

 かつて木造家屋が密集していた駅南口。A〜Cの3ブロックに分け、官民による再開発が進んできた。

 再開発を手掛ける第三セクター広島駅南口開発(南区)は1988年に設立された。99年にAブロックを終えた後、景気低迷で中断。その後の09年のマツダスタジアム完成を追い風に16年、B、Cブロックの高層ビルが相次ぎ完成した。

 目まぐるしい変化を見せるのは南口だけではない。「エキキタ」と呼ばれる北口の二葉の里地区でも、オフィスビル「グラノード広島」や商業施設が完成するなど、まちの姿は様変わりする。南北は24時間通行できる自由通路で結ばれており、駅を拠点とした一帯は人や企業の集積地としてさらに注目を集めそうだ。(加納亜弥)


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