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介護施設、感染防止に苦心 高齢者に運動機能低下も 三次でクラスター発生1カ月

2020/5/13

感染予防のためホールの利用人数を制限した、かわち小規模多機能施設「ぬくもり」

 広島県内初の新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が三次市内の通所介護施設などで発生し、1カ月が過ぎた。クラスター発生を受けて市内の介護福祉施設の一部が事業を休止、縮小したため、十分な介護を受けられず運動機能が衰える高齢者が出るなど、市民生活への影響も明らかになっている。施設側もサービス提供と感染防止の両立に苦心し、手探りで運営を続けている。

 「日々できる運動をしっかりと聞いておけばよかった」。80代の母親を三次市内の自宅で介護している50代の主婦は悔やむ。母親が利用していた施設は介護サービスを再開したものの、密集を防ぐため利用制限を設けており、自宅での介護は1カ月にも及ぶ。主婦は母親の運動機能を維持できるか不安を募らせる。

 別の80代の男性は、妻が利用する介護施設が休止していた間、「家事が進まず困った」と明かす。ある施設の関係者は「サービスを長期間受けられないと、高齢者や家族の生活リズムを乱す一因になる。認知症があればさらに大変だ」と気をもむ。

 ■スタッフが退職

 施設側も苦心する。同市下川立町のかわち小規模多機能施設「ぬくもり」は、入浴や弁当の配送、寝たきりの高齢者のパット交換など、家族と相談して必要最低限のサービス提供にとどめている。複数人が集まるホールは利用時間をずらしている。角谷浩規副施設長は「他の施設と情報交換しているが、感染防止の基準がなく不安」と話す。

 小規模の施設では経営への影響も深刻化している。訪問介護施設などを運営する役員男性は「受け入れ人数の制限など感染防止策を取れば、収入は減少する。経営はかなり厳しい」と漏らす。さらに、高齢のスタッフや自宅で祖父母の世話をしているスタッフが、感染リスクを避けるために退職。元の体制に戻せるか見通せないという。

 ■市に情報求める

 三和町のデイサービスゆーあいの田村芳和施設長は「このまま縮小が続くと赤字になり、今後の給与の支払いも不安になる」として、7日にほぼ通常の運営に戻した。今後は、国や市の支援制度を活用して感染防止策を取りながら事業を続ける考えだ。

 グループホーム事業所などでつくる「三次地域密着型サービス事業所連絡会」は、各施設にアンケートを実施。感染状況についての正確で迅速な情報提供や介護事業への具体的な対応策を求める回答が多かった。重信万里代表は「利用者もスタッフも安心して施設やサービスを利用できるよう、正確な情報を市に求めたい」と話している。(小山顕)

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