広島県、人口280万人割れ 35年11カ月ぶり 4月1日時点
2020/5/14 0:01
広島県は13日、県の4月1日時点の推計人口が279万8628人になったと発表した。280万人台を下回るのは1984年5月以来、35年11カ月ぶり。出生数を死亡数が上回る自然減に加えて、近年は県への転入数が転出数を下回る社会減が深刻化し、人口減に歯止めはかかっていない。
推計人口は国勢調査と住民基本台帳に基づく。今年3月1日時点は280万4123人で、1カ月で5495人減少した。内訳は社会減が4397人、自然減が1098人だった。
県統計課は「若い世代を中心に、就職や進学による大都市圏への転出が響いた」と分析する。例年なら4月は転入者が多く、5月1日時点で280万人台を回復する可能性があるが、今年は新型コロナウイルスの影響で「見通しを立てにくい」と説明した。
同課によると、推計人口は84年6月に280万8人と、初めて280万人を超えた。その後、98年11月の288万5617人をピークに減少局面へ移行。19年でみると、自然減は08年から12年連続、社会減は17年から3年連続となった。
別の調査である総務省の人口移動報告によると、19年の転出超過は8018人で全国最多となっている。
湯崎英彦知事はこの日の記者会見で、280万人台を下回る事態を予測していたとしつつ「残念」と受け止めた。新型コロナの影響で働き方に変化が起きる中「広島の都市機能と自然が非常に近い環境を生かし、移住者を増やすなどの取り組みを進める」と話した。(畑山尚史)
関連記事「広島県、全事業見直し 20年度、コロナ対策費捻出」
関連記事「広島の市町、細る人口 地方創生5年、効果は不十分」
広島県は20日夜、新型コロナウイルスのワクチンの医療従事者向け優先接種を、全国と同様に3月中旬に始める予定を、県内の医師会の関係者たちに説明した。スムーズな接種に向けた地区ごとの仕組み作りに協力を求...
核兵器禁止条約が22日、批准国それぞれの現地時間午前0時に発効した。核兵器の開発や使用を全面禁止する国際条約が効力を持つ一方、核保有国や米国の「核の傘」に依存する日本政府は参加しないまま、この日を迎...
江田島市発注の指定ごみ袋の指名競争入札を巡り、応札業者が事前に調整して落札業者を決めたとして、藤本哲智(てつとし)呉市議(65)ら複数人が談合罪で略式起訴され、罰金の略式命令を受けていたことが21日...
広島県を地盤とする野党の国会議員は21日、公選法違反罪で有罪判決を受けた河井案里被告(参院広島)に対し、「一刻も早く議員辞職するべきだ」と要求し、与党議員も地元有権者に説明責任を果たしていない姿勢を...
▽日本はオブザーバーに 検証具体化で貢献を