地域ニュース

【コラム】誇れない 田布施町のミス対応(2019年8月23日掲載)

2020/5/14 17:17

 山口県の小さな町ながら戦後、岸信介、佐藤栄作という2人の兄弟宰相を輩出した田布施町。その功績をホームページで誇らしげに紹介する町の内部で、とても誇るどころではないモラルハザード(倫理観の欠如)が起きている。

 固定資産税を巡る町の長年のずさんな徴収業務が浮かび上がったのは昨年12月。その半年以上前の5月に税務課の職員がミスを見つけたのが発端だった。

 相続時の手続きミスによる誤徴収を職員が指摘したが、町は動かなかった。そこで職員は行政の監視役であるはずの町議たちに話を持ち込んだ。紙面でもたびたび取り上げ、町がミスを認め対策に乗り出したのは、最初の指摘から1年以上も経過していた。

 ミスの指摘後、職員は短期間での異動を繰り返し、業務評価は最低の0点を付けられた。ある課長は「0点なんて聞いたことがない」と驚く。ミスを見つけた職員に対し「秘密をばらした報復」とも受け取られかねない対応に、内部告発の支援団体は「町民の利益になっているのはどちらなのか」と批判する。

 問題を報じて以来、読者や周辺市町の職員からは「これはひどい」「ありえない対応だ」との声が届く。一方、当事者の町のベテラン議員は「田布施の悪いことばかり書きやがって」と非難の言葉を口にした。「くさいものにふた」に加担するのか。本来の監視役の機能を果たすのか。議会も存在意義を問われている。

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